わたしの生きた証～絆～ (ページ33)

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11 翔said ページ33

今日からAが入院する。

これまで一緒にいてそんなことは一度もなかった。

昨日の部活の帰り、ちょっと気恥しいけど、花屋に寄ってみた。

入院って言ったら花とかフルーツしか思いつかなくて。でも、お見舞いに行けないし、お腹の病気らしいからフルーツはダメだと思って。

花なんて買うのいつぶりだろうと思いながら店内を物色する。

すると奥の方にいたエプロンした店員さんか近づいてきた。ふんわりと花の香りがした。

セミロングの髪の間からゆらりと花の飾りが付いたピアスが揺れたのが見えた。もしかしたらイヤリングだったかも。

店員「こんにちは。どんなものをお探しですか？」

翔「あの、あげるもので。明るい感じの色で置けるものがいいんですけど。」

簡単にイメージしていたものを説明する。

すると店員さんはにっこり笑って

店員「あげるのは彼女さん？」

翔「いや！ちがいます。幼馴染です。ただの。」

さらっと言われたらから一瞬ドキッとして訂正する。

この気持ちがいつか伝われば。うまく伝えられる日がくればそれでいい。

Aの喜ぶ顔が浮かぶだけで嬉しくなる。

いまはあいつが喜んでくれればそれでいいんだ。

店員さんがいくつか出してくれたものから最後は自分で選んで包んでもらった。