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カランコロンという鈴の可愛い音ともにお店に入ると
40代くらいの紳士的な男の人が案内してくれた
店の外からは分からなかったけど、内装もオシャレでいわゆる隠れ家カフェと言うのだろうか素敵な空間だった
お昼時はとっくに過ぎてるので他にお客さんはいなかった
それぞれ注文を済ませて料理が出てくるのを待っていた
廉「どうしよう、この後」
唯一の手がかりが外れたわけだったから、こっからは振り出しに戻ったということだ
こんな人の多い東京で片っ端に人探しなんて無謀にもほどがある
第1、廉のお母さんがまだ東京にいるとは限らないのだ
「人探しってどこ行けばいいんだろう？交番？」
廉「それやねんな、まずどこに行けばすらも分からん」
戦意消失といったように空腹の上に気力を失った私たちはもはや苦笑いで会話を続ける
廉「あと4日やからな、効率よく行かんと無理やんな」
そう、私たちに残された時間は今日を含めて5日
金銭的な問題も考えて見つけるまで帰らないわけでも行かないので
5日と期限を決めて東京にやって来たのだ
収穫ゼロで今日が終わるそんなことは避けたいのだが、どうすればいいのか分からず
私たちの思考も宙を彷徨っていた
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作者名：紫陽花
| 作成日時：2019年3月9日 15時
