涙雨が止むその日まで、、、3 (ページ30)

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廉side

岡崎さんの話はほんまに信じられんけど、この場に母ちゃんがいないことが何よりの証拠で

正直見捨てられたって言われるより残酷やけど、俺は受け入れないといけないんやって思った

俺はそう思って東京へ来たわけやから

岡崎さんに渡された封筒から便箋を取り出すと

懐かしい母ちゃんの角ばった字が並んでいた

"廉へ

あなたとの再会が果たせなかったこと、施設に預けて寂しい思いをさせたこと、あなたに別れを告げずに死んでしまうこと、あなたには謝らなくてはならないことがたくさんあります。
でも、最後にあなたに母としてかけてあげられる言葉が少しでもあるならこうして形に遺しておきたい、そう思って手紙を書きました。私は、母親として何一つ立派なことをあなたにしてあげられなかったけど、一瞬たりともあなたを忘れたことはありません。あなたが元気に友達と仲良くしながら、笑顔でいれますようにそう毎日思っていました。
できることなら、高校の入学も成人式も結婚も孫の誕生も全部全部見届けたかった。あなたの幸せな姿を見守っていたかった。
でも、その願いも叶わないみたいです。
あなたは優しい子だから、本当のことを知ったらきっと私が可哀想だとか父親のことを恨むでしょう。でも、私は幸せでした。大変なことはたくさんあったけど、あなたに出逢えたから。私にたくさんの幸せをくれて、こんな私を母親にしてくれてありがとう。
あなたも将来、素敵な人に出会って家庭を築いて幸せになってください。
あなたの幸せを誰よりも願っています

廉、愛してる。"