My dear. (ページ19)

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JS｢っ！！！ヒョン！！！車止めて！！！！！！｣

ﾏﾈ｢は！？｣

信号を過ぎた所で急停止したバンから飛び出して、降りしきる雨の中無我夢中で走る。

彼女の元まで。

JS｢っハア、、、、Aっ！！！！！｣

名前を叫ぶとピタリと止まる背中。

その距離約5ｍ。

本当に、目の前にAがいる。

６年間ずっと恋焦がれていた彼女がいる。

JS｢A、、、っ｣

『来ないで』

懐かしい、凛とした声が聞こえると同時に止まる足。

JS｢A、、、、、？｣

『やめて、来ない、で、っ』

声が、震えている。

バシャッバシャッ

水たまりなんて気にならない。

彼女の元まで行き、細い腕を引っ張ると、足元に落ちる赤い傘。

『っ！！！！』

無理矢理振り向かせた彼女は、

泣いていた。

昔と変わらない、ガラス玉のようなまんまるい目からポロポロと涙を零して。

ギュッ、、、、

あの時と同じ、今にも消えてしまいそうな彼女を自分の腕の中に押し込めた。

存在を確かめるように強く、強く。

『っやめてって、ば、、ぅうっ、、、うっ、』

JS｢、、っ｣

暴れる彼女を無理やり抱きしめながら

じわりと視界が歪む。

ずっと、求めていた彼女の体温がここにある。

JS｢会いたかった、、、っ、ずっと｣

しばらくすると力が抜けたように弱々しく僕の胸板を叩く君。

僕に抱かれながら嗚咽を漏らし続ける彼女を離したくなかった。

もう２度と、

離したくなかった。