My dear. (ページ2)

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君と出会ったのは12歳のクリスマスイブだった。

アメリカで聖歌隊に入っていた僕は、その日、海沿いにある小さな教会で聖歌隊のみんなと歌を歌っていた。

夜はみんなでクリスマスパーティー。

これが僕の毎年恒例のクリスマスだった。

パーティーをする友達の家へ向かう途中、僕は教会にマフラーを忘れたことに気づいて、来た道を引き返した。

冬の海風は冷たくて、教会へ向かう足は自然と速くなる。

ギィ、、、

教会の扉を開けると、目に入った長い髪の後ろ姿。

誰もいないはずの教会の椅子に1人座っている女の子に、気づけば声をかけていた。

JS｢、、、なにしてるの？｣

チラリともこちらを見ずに、正面を向いて女の子は言った。

『だいきらいな神様にお願いしてるの』

まっすぐ前を見つめる瞳はどこか悲しそうで。

色のない瞳と、

雪のように真っ白な肌。

今にも消えてしまいそうな彼女に、

早く温めてやらねば、と

置き去りにしてあった自分の赤いマフラーを彼女の首にそっと巻き付けた。

『、、、。』

それでも一向に表情を変えない彼女に、

なぜだか無性に焦りを覚えた僕は

隣に座ってキュッと手を握ると

自然と浮かんだメロディーを歌った。