31.青年Hの黄昏 ページ31
土方十四郎は、不器用な男だ。彼を長く知る近藤勲は、そう思っていた。
「トシ、もう少し優しい言い方はできなかったのか？それではお前が＿＿」
「近藤さん。甘い言い方じゃあのガキは言うことを聞かねえよ」
夕暮れの屯所で、縁側に腰掛けながら2人は言葉を交わしていた。
自分の隣に座る男は、不器用だ。そう冒頭で触れたが、それだけではない。頑固で、そして、誰よりも優しかった。
「お前は、Aちゃんに辛い思いをして欲しくなかっただけなんだろう？この前の一件でも、一歩間違えれば皇はAちゃんの友達を殺していたかもしれない。
もしそうなったとして、友人を殺したのは自分だと己を責める彼女を、お前は見たくないだけなんだろう」
「……知らねえな」
土方の吐いた煙が、夕暮れの空へ登っていく。
自分は、誰かに優しくなんてできないと分かっていた。
自分の大切なものは、真選組、近藤勲＿＿A。それらを守るためなら、彼は文字通り何だってするのだ。それが、A本人を傷つけることになろうとも。
たとえそれで、自分が彼女に嫌われようと。
「ただでさえ天人は、かぶき町以外の場所に住まうケースは少ないんだ。それをあんなど真ん中で……もしあいつが夜兎だと政府に知れれば、利用されるかもわからねえ。そうなったら、俺たちには手の出しようがなくなる」
「だから、学校も辞めさせて真選組に留めておきてえ、と」
彼は何も言わなかった。ただ、返答の代わりにまだ長いタバコを揉み消した。
本当に不器用な男だ、と近藤は笑みを零した。
「土方さん！！」
淹れたばかりだったはずの茶が緩くなってきたころ、縁側に座る2人のところへ、Aが一枚の紙を持って駆けてきた。
「おお、お帰り」
「ただいま帰りました、近藤さん。…土方さん、これ、見てください」
そう言った彼女が土方の眼前に突きつけた紙には、”雄英高校体育祭開催のお知らせ”の文字があった。矢継ぎ早にAは続ける。
「私、これで校内で一番になります。だからそしたら、私のことを認めてください」
言いたいことだけ言って、彼女は自分の部屋へ走って戻って行った。ぽかんとする近藤を横目に、土方はその紙を手に取る。
そういえば、今日の集まりで聞いた。雄英高校体育祭、生徒たちが個性を駆使して学年での頂点を決める催しであると。
そんなことしなくても、俺はお前のことを＿＿
Aがこれで優勝すれば、学校にいることを許してやろう。だって俺は、元々＿＿
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ケンタッキー - よろず屋一同モブ扱いwwwwwwwwwwwwwwwww (2017年7月15日 13時) (
レス) id: 14327c620f (このIDを非表示/違反報告)
舞姫(プロフ) - 3話の切島鋭児郎の児が次になっていますよ！！ 分かりにくくてすみません(Ａ;´･ω･)ｱｾｱｾ (2017年5月1日 0時) (レス) id: b16a0cad51 (このIDを非表示/違反報告)
あるふ - 切島wwwwwwwwちょ、面白い過ぎますwwwていうか、銀魂とうまく融合してますね笑ここでもやはり土方さんは不器用ですか笑もう笑いが止まらなかったです。頑張ってください！ (2017年2月4日 3時) (レス) id: 1eb099c57d (このIDを非表示/違反報告)
ナミト(プロフ) - ユリ猫さん» ありがとうございます！頑張ります！！ (2016年7月9日 13時) (レス) id: ade0ad6b75 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ猫(プロフ) - すごく面白いです！！更新頑張って下さい！！ (2016年7月9日 10時) (レス) id: 2d583a6834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナミト | 作成日時：2016年5月28日 10時
