古代王に取り合われる話 ☆ ページ17
(オジマンディアスが恋愛的な意味でヒロインを好きです。納得いただける方のみどうぞ)(入寮後の話)
＿＿人間万事塞翁が馬。禍福は糾える縄の如し。一寸先は闇。
人生というものは、何があるか分からないものだ。
特にわたしなんて、その人生は二週目に突入している。もう何があっても動じることはないと思っていた。
それでも、崇高なるファラオからのご寵愛を賜るなんて＿＿そんなこと想像すらしていなかったのだ。
「あの、ファラオ…暑いんですけど」
「む」
いや、む、って。
ファラオ＿＿オジマンディアスは、豪勢な椅子に深く腰をかけ、その長い脚の間にわたしを座らせている。嫌でもわたしの背中は、ファラオの筋肉質な腹やら胸やらと密着しているのだ。
そしてこの人、見かけによらず結構な子供体温だ。詰まる所、暑い。今は夏休み真っ最中であるが、エアコンをつけているのにもかかわらず割と暑い。
だから離して欲しいとお願いしたのに、彼は目の前のカードに夢中だった。
顔を上げれば、そこにいるのは手元のカードに目を落とす賢王ギルガメッシュ。ファラオと同じく豪勢な椅子に腰をかけている。
ふたりはいまポーカーに興じているのだ。別にそれ自体はいい、いつもより静かにしてくれているので助かるくらいだ。
ただそれでも、わたしのことをペットみたいに側に置きたがるのはやめて欲しい。せっかくの夏休みだ、わたしだって談話室に行ってみんなと話したいし、冷たいアイスに舌鼓を打ちたい。
ファラオは生返事だし、これは抜けてもいいということだろうと勝手に解釈して、ゆるく拘束されたようなその状態から抜け出ようとする。その時、逞しい褐色の腕が、カードを机の上に投げ出して私の身体の拘束を強めた。
「うわっ！？」
「なんだ、余に相手にされないからと拗ねたのか？」
「違いますって！熱い熱い！」
わたしの黄色い肌とは違う、浅黒く男らしい腕。それが私の身体を抱きしめるように巻きつき、おまけに私の手のひらを包むように握る。後ろのファラオは何が楽しいのかご満悦のようだ。きっと野良猫を可愛がっているくらいの気分なのだろう。
目の前の賢王が、はぁ、とわざとらしい溜息をついた。赤い瞳がこちらを見つめる。
「太陽の。貴様には心に決めた王妃がいるのではなかったか？」
「そうだ。ネフェルタリは余の愛の全て。しかし、ネフェルタリを愛していることは余がこの女をみすみす諦める理由にはならぬよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 608人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
闇音(プロフ) - 初めまして。こちらのシリーズのお話、いつも楽しく読ませていただいています。ジーク君と1日デートするというリクエストは可能でしょうか？本編ならびに番外編も更新を楽しみにしています。 (2020年3月28日 1時) (
レス) id: f425466021 (このIDを非表示/違反報告)
牛乳(プロフ) - いつもぜんざいさんの小説を楽しく読ませて頂いてます(>_<)すみませんリクエストなのですが、キングプロテアちゃんと夢主ちゃんとA組のお話が見たいです…！更新楽しみにしてます！ (2019年4月25日 20時) (レス) id: 2e7f27e19e (このIDを非表示/違反報告)
リリカ(プロフ) - こんにちは！いつも楽しみにしてます！ リクエストで岡田以蔵と夢主とA組の話をお願いします！ (2019年1月4日 9時) (レス) id: 317858aab0 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンヌオルタサンタリリィ - 初めまして！インド兄弟楽しみです！それからリクエストよろしいでしょうか？私はロビンとビリーが取り合うのがいいです！ (2018年10月11日 17時) (レス) id: 9d73ceb014 (このIDを非表示/違反報告)
夜ト(プロフ) - インド兄弟の続き楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2018年10月6日 16時) (レス) id: fa8e26fbdb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぜんざい | 作成日時：2018年5月27日 11時
