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巌窟王は思った。自分のような男が、意識のないうら若き少女を抱いて歩いていたら、それは勘違いされてもおかしくないなと。かと言って誤解を解くのもまた面倒だ。問いかけには正確に答えよう。
まあ、どこに連れていくといっても、
「部屋だが」
「は？」
「彼女の部屋だが、何か問題でも？」
４人が、ぽかんと口を開ける。赤髪の男が、ま、まさか、と言葉を発した、その時だった。
「んん…」
腕の中の少女が微かに呻く。騒ぎ過ぎて起こしてしまったのか。やがて彼女はうっすらと目を開けて、巌窟王の首根っこにその白い腕を回して抱きついた。予想外の行動に、彼は慌てて彼女の太ももを支える。その姿は、父親に抱き上げられている駄々っ子と何ら変わりない。
「…がんくつおぉ〜」
「ああもう、わかったわかった」
「もぉつかれた、はやくねたいぃ…」
「ついさっきまで寝てただろう…」
完全に寝ぼけているらしい。舌が回っていないし、とろけた口調で眠いだの疲れただの訴えかけてくる。マスターの寝起きが悪いのはサーヴァント周知の事実だが、これをクラスメイトに見られたことを明日の彼女が知れば＿＿その反応は想像するまでもなく。
「サーヴァントの方…ですよね…？」
「ああ。マスターはこんな状態だ、悪いが失礼する」
「騒いですみませんっした…」
事情を察したのか、申し訳なさそうな顔をするクラスメイトたちを置いて、巌窟王は四階へ続く階段へ向かった。彼の革靴がたてる音が遠のいていくのを聴きながら、切島がぽつりと呟いた。
「…普通に考えればさ、こんなとこに敵がいるわけないよな」
「そう、だよね…。なんか恥ずかしい…」
「てか、すげーイケメンだったな…サーヴァントってみんな美男美女かよ…って、爆豪？なにキレてんだ？」
「っっうっせえ！！キレてねぇわ！！！」
上から、切島、緑谷、上鳴、爆豪が呟く。いや、爆豪は怒鳴った。自分だって、昔から一緒にいるのに、あんなに無防備なAは見たことがない。それに、あの男がそれを慣れた手つきで宥めているのもまた腹が立った。恋はなんとやら、というやつである。
明くる日、昨日の記憶が朧げに残っているAが、巌窟王の予想通り、顔を真っ赤にして４人に謝りに行ったのは言うまでもない。
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闇音(プロフ) - 初めまして。こちらのシリーズのお話、いつも楽しく読ませていただいています。ジーク君と1日デートするというリクエストは可能でしょうか？本編ならびに番外編も更新を楽しみにしています。 (2020年3月28日 1時) (
レス) id: f425466021 (このIDを非表示/違反報告)
牛乳(プロフ) - いつもぜんざいさんの小説を楽しく読ませて頂いてます(>_<)すみませんリクエストなのですが、キングプロテアちゃんと夢主ちゃんとA組のお話が見たいです…！更新楽しみにしてます！ (2019年4月25日 20時) (レス) id: 2e7f27e19e (このIDを非表示/違反報告)
リリカ(プロフ) - こんにちは！いつも楽しみにしてます！ リクエストで岡田以蔵と夢主とA組の話をお願いします！ (2019年1月4日 9時) (レス) id: 317858aab0 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンヌオルタサンタリリィ - 初めまして！インド兄弟楽しみです！それからリクエストよろしいでしょうか？私はロビンとビリーが取り合うのがいいです！ (2018年10月11日 17時) (レス) id: 9d73ceb014 (このIDを非表示/違反報告)
夜ト(プロフ) - インド兄弟の続き楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2018年10月6日 16時) (レス) id: fa8e26fbdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぜんざい | 作成日時：2018年5月27日 11時
