あなたへと歌う (ページ19)

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早朝、翔平くんがホテルまで送り届けてくれる。

「ごめんね、ありがとう」

「いーえ。いつ帰るの？」

「…明日、かな。」

「そっか。ライブ、頑張ってね。」

彼に夢中で後ろから近づいてくる気配を感じれなかった。

「あれ、目黒さん？」

振り返るとマネージャーとなぜここにいるかわからないスタイリストがいた。

「Aと～…大谷選手、であってますかぁ？」

「目黒さん、もしかしてその方と……？」

やらかしてしまった。同じホテルに泊まっているのに。油断した。してしまった。浮かれていた。
恥ずかしすぎて声が出せない。
その沈黙を破ったのは彼…翔平くんだった。

「目黒Aさんとお付き合いさせていただいています。大谷翔平と申します。」

「…Aの専属スタイリストです～！よろしくお願いしますね。」

「目黒さんのマネージャーをさせて頂いているものです。よろしくお願い致します。」

ちゃんとしているのはいつも彼。少し羨ましい。
私はこんなに恥ずかしいのに。
そんな時機転をきかせたスタイリストさんが「すみません！Aちゃんと話したいことがあるので貰って行ってもぉ…？」と私を連れ出してくれた。
ごめん、翔平くん。

「で！Aたちどーゆー関係なわけぇ？」

「私も個人的に気になります。」

「えぇ…マネージャーさんまで…」
「実は…」