その針を進めて (ページ6)

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可「みなさん今日はよろしくお願いしますっ」

数日後、初めて可愛さんとダンスレッスンを受けることになった。

可愛さん、どんなダンス踊るんだろう…

ダンスにはそれぞれの個性が出るし、私はそれをみるのが大好きだった。

だから可愛さんのダンスを見るのは楽しみで…。

先「はーい、じゃあ今日はPPPの確認しようかー」

先生の声に全員が間隔を開けて並ぶ。

とは言っても、一番の目的は可愛さんのダンスのレベル確認みたいなものだから、

私たちは後ろで軽く合わせる程度。

先「音入れるよー」

全「「え」」

全員が思わず動きをとめて可愛さんを見る。

可愛さんのダンスは何というかその…大分癖のある感じで…、、、

岩「ちょっと音止めて貰っていいですか？」

渡「可愛さん、これどのくらい練習したの」

可「え？えーっと、2時間くらいやりましたよ！グループ入るならこれくらい当然ですよね！」

笑いながらそういう可愛さんに、明らかにメンバーや先生の顔は怖くなっていって。

目「やる気ないわけ？」

可「へ？…わ、私一応女の子だし…これくらいが精一杯ですよ？」

ラウ「ゆきちゃんは毎日何時間も自主練してるんだよ！？」

『ラウっ、』

向「可愛さんのことメンバーって思いたいけどさ、これやとそう思えへんのよ」

可「っ、」

先「おっと電話だ、ゴメンちょっと抜けるよ」

先生もいなくなってレッスン室は最悪の空気。

結局その日は仕方なくひーくんやさっくんが、一からダンスを教えることになった。

やっと可愛さんも振りを覚えて、

現在の時刻は20：30。皆で帰ろうと支度をしていると可愛さんが私の前に来た。

可「お、音瀬さんっ！私にダンス教えて下さいっ！」

そう言って頭を下げる可愛さん。

周りのメンバーは可愛さんの声にすぐに振り返ってこっちをみた。