crisis07 ページ7
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「っ、ぅ……っ」
力が抜けてその場にへなへなとしゃがみこむと涙で視界がぼやける。
私に飽きたからそう言えばいいのに。
こんな浮気されて私が惨めなだけなのに。
ソクジンさんが良いなら私にハッキリそう言えばいいのに、ユンギが中途半端だから余計に苦しい。
「Aヌナ、大丈夫ですか？」
「ホ、ソク……」
顔を上げるとホソクがそこにいて、ホソクの顔を見たら余計にぶわっと涙が溢れてきた。
ホソクは私と同じ目線になるように屈むと、優しく抱きしめて背中を摩ってくれた。
「……大丈夫じゃないですよね」
「ん、……っ、大丈夫じゃ、ない、」
「よしよし、泣いたらスッキリしますよ。だから今はオレに甘えてください」
ホソクの大きな手がわしゃわしゃと私の頭を撫でて、それに酷く安心して目が乾くまでホソクの胸でいっぱい泣いた。
「泣き止みました？」
「……うん。ごめん、服濡らしちゃって」
「別にいいですよ、気にしないで」
戻りましょっか、と震える私の手を優しく握ってくれて、その手は繋いだまま楽屋に行った。
「A」
戻ってきた私にはユンギが最初に気づいた。でもユンギは私とホソクの手が繋がれてるのを見て駆け寄ろうとした足を止めたし、私はこんな泣き腫らした顔を見られたくなくて咄嗟にホソクの後ろに隠れる。
「…Aヌナ、ユンギヒョン来ましたよ。一緒に帰るんでしょ？」
「……どうせ別れ話だよ、帰りたくない」
「…………んーじゃあオレん家くる？なんて、」
「行く」
「え、」
「……今日だけ、泊めて」
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作成日時：2021年6月27日 23時
