139話▼つぶらな瞳に映るのは ページ43
▼ペコムズ視点
「……ハァ……」
「もう逃げられねェぞ。
お前をここで始末する。反乱分子は殲滅するのみだ」
カカオ島、郊外。
息も絶え絶えなおれは、オーブン率いるママの子供達に囲まれながら地面に横たわっていた。
おれは麦わらに加担したのだ。
なぜならアイツは……アイツらは、ペドロの兄貴が命を懸けて導いたモノだから。
確かにアイツらにはおれも"借り"がある。
それでも1番の理由は、兄貴の死を無駄にしたくなかったから。
麦わらは鏡を出た後、仲間と共に海岸の方へ向かった。
おれの任務は完了したのだ。
「さっきは
お前の
それにもう虫の息だ。おれ達に敵うわけもない」
おれは昔から、
変身すれば周りの声が耳に入らなくなり、所謂暴走状態になっちまう。
……今こうしてヤツらの声が聞こえているのなら、おれが"虫の息"ってのも本当なんだろうな。
もはや痛覚もまともに機能しない。目も霞む。
あァ、おれもここまでか。
(……最後に)
Aと会ったのは、いつだった？
シーザーを追って、招待状を届けて。
魚人島にお菓子を取り立てに行くだけだったつもりが、まさかこんな長旅になるとはな。
アイツに心配かけちまったかもしれねェ。
オーブンがその目に火を灯し、拳に力を込める。
その熱気は直接触れていなくても、こちらに伝わってくる程だ。
抵抗する力も残っていないおれは、目を瞑って時を待った。
「──"
『"剃"』
聞き慣れていたハズなのに、懐かしく感じる声。
おれの脇を、何かが物凄い速度で駆け抜けて──……
『……ッ熱ぅ……！』
「！
お前……」
今にも振り下ろされそうであったオーブンの拳を、その細く長い足が蹴り止めている。
"ジュウ"という音をたてて……ズボンの裾が焦げる匂いがした。
「──A」
理由は分からないが、彼女の服は数多の攻撃を受けてきたかのようにボロボロで。
それでも放つ蹴りは重く力強く、それを食らったオーブンは思わず顔を歪める。
「……何のつもりだA！
ソイツは反逆者だぞ！
庇うならお前とて容赦は──……」
『ハッ……許される気ぃで、蹴ってません』
おれは予想外な怒涛の展開を、力なく見守っていることしか出来なかった。
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なめこ(プロフ) - 万さん» 万様、温かいコメントをありがとうございます！駄洒落は割と丁寧に作ってたのでそう言って頂けると嬉しいです。引き続きマイペースで頑張っていきます！ (2022年9月30日 19時) (
レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
万(プロフ) - 初めまして、設定も珍しく内容もとっても面白かったので一気に読んでしまいました！！主人公の駄洒落もついつい楽しみにしている自分がいました！今後も応援しています。 (2022年9月30日 0時) (レス) @page50 id: b14a1161fa (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» 橋本アリィちゃん様、感想ありがとうございます！また返信遅くなり申し訳ございません。今後もマイペースに作品更新していくので、よろしくお願いします！最後までのご清覧、本当にありがとうございました！ (2022年9月10日 13時) (レス) @page19 id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても良いお話でした！今後も頑張って下さい！(*´ω｀*) (2022年1月5日 11時) (レス) @page50 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 烏羽Pさん» 鳥羽P様、ありがとうございます！この作品で少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。今後も自分のペースで作品投稿を続けていくつもりなので、どうぞよろしくお願い致します。改めまして、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました！ (2020年12月29日 13時) (レス) id: 64cb88d55b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2020年10月30日 18時
