▽私とネロ君 ページ1
▽2年後、平和時空
「A！
……となんじゃ、
ここ"マリージョア"は、五老星をはじめとする世界貴族が住まう場所。
そこに高々と立つ"パンゲア城"は、それらに従属する私達CP0の活動拠点でもある。
「シャウ！海坊主じゃなくて"海イタチ"だッ」
「何でも良いわい。
A、午後は空いとるか？
任務が思いのほか早く済んでのう」
だから城内をネロ君と歩いていれば、こうして同僚と会うことも至って普通のことなのだ。
ただ1点、早々に何とかしなければと危惧していることが……
『この後はネロ君と出かける用事があるよ。
あ、カクも一緒にどう？
買い物ついでにお茶でもしようかなーって』
「ほーお、そうかそうか！なら仕方ない。
ネロ、当然わしにAを譲ってくれるよな？
お前さんとて
(みんな、ネロ君と仲良く出来ないものかっ……！)
そもそも何故、彼が"法務助士"として働いているのか？気になっている方もいるかもしれない。
彼は政府から命を狙われていた。
その理由は──2年前の、忘れもしないあの日。
ネロ君は"カティ・フラムの護送任務"に失敗した。
世界政府は封建的な組織だ。些細な情報開示ですら極端に嫌う。
不要と判断されれば存在を明るみに出すことも許されず、辿る道は1つしかないのである。
しかし人の命がそうも安く扱われて良いはずもない。
仮に誤ったとて、それが許容もされずに奪われるべきだとは考えられなかった。
……だから私の下で、私が責任を持って監督することになったのだ。
それが私の中で思いつく、彼を救う唯一の方法であった。
「は、はァ！？先約はコッチっしょ！
つーかおれだって、コイツに行きたくもないのに誘われただけなんだぞ！！」
『そ……それはネロ君が難しいお使い頼むからでしょ！？
私はボディオイルのブランドなんて詳しくないんだから！来てくれないと分からないよ！！』
「貴様！仮にも上司であるAを、あたかも召使いの如く扱いおって……！！」
殺気立つ橙色のオーラを察知して、私は思わず目を丸くする。
ネロ君にはそれが見えないはずだが、それでも感じるカクの気迫に耐えられなかったらしく……私の背中に隠れてしまった。
……どうやら2年前、それは手酷くルッチさんにやられたと聞く。
それ以来なのか、ネロ君は"元CP9・潜入組"に苦手意識がある様子で。
私はカクを何とか宥め、"明後日ランチを食べに行く"という約束を立てこの件は手打ちにしてもらった。
彼が去り際に残した盛大な舌打ちに、ネロ君はまた総毛立てているようだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なめこ(プロフ) - ワサ六さん» ワサ六様、掲載承諾の旨ありがとうございます！本当にイラストが可愛くて、今も見返す度に叫んじゃってます(笑) 引き続きよろしくお願いいたします〜！ (5月8日 12時) (
レス) @page12 id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
ワサ六(プロフ) - なめこ様に喜んでもらえてすごく嬉しいです、ありがとうございます‼掲載の件は全然okです。嬉しいです。これからもなめこ様の作品楽しみに待っています。 (5月7日 21時) (レス) id: 2f36cd8639 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - ワサ六さん» ワサ六様、勿体なきお言葉感謝します。それにッ滅茶苦茶可愛い〜主人公イラストまで！？！？！？本当にありがとうございます(感涙) 差し支えなければ、こちらのイラストを本作内で紹介することは可能でしょうか……？(画像URL・作者様ページの掲載を予定しております) (5月7日 21時) (レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
ワサ六(プロフ) - キャラと主人公の絡みが好きです。本編のストーリーも作りこんであって、読み直すたびに感動しています。 主人公ちゃんの想像図が違かったら申し訳ないのですが、描いてみましたhttp://uranai.nosv.org/img/user/data/b/7/1/b71223cc1592d17cd402898327c4c5b5.jpeg (5月7日 15時) (レス) id: 2f36cd8639 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 酢さん» 酢さん、温かいコメントありがとうございます！私がネロ君好きなのもあり(笑)、今後もちょくちょく出していけたらと思います。引き続き更新頑張ります〜！ (2023年3月4日 8時) (レス) @page3 id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なめこ | 作成日時：2023年2月27日 14時
