34話▽おやすみヒーロー ページ36
Aです！
今日は……1人っきりの休暇をエンジョイしてるよ〜っ！
『んぅ〜〜〜ん、良い天気！』
ここは"カーニバルの町"サン・ファルド。
エニエスロビーからはるばる海列車に乗ってきたのだ。
ここはその名の通り町全体で行われる仮面舞踏会が名物なのだが、今はちょうどお休みの時期らしい。
まぁ休暇を満喫しに来たので、これはこれで空いてて良いかもな。
(コスメ無くなりそうだし買い足さないとな〜)
視界の隅に書店が目に入る。
そうだ、新しい小説でも買っておこうか。
休憩中とか就寝前に時間を潰せるしね。
「巨大怪獣だー！ガオーッ」
「きゃーッ」
足を書店に向けていた時、店の側で子供達が戯れている声がした。
兄妹かな？笑いながら夢中で走り回っている。
あはは、無邪気で楽しそうだなぁー……
──ドンッ
「なんだァ？ガキ共……」
「「『！』」」
妹ちゃんの方が、厳つい顔の男にぶつかってしまう。
そのあまりの厳つさに、彼女は何も言えず口をパクパクさせていた。
「オイオイ……当たっといて詫びもなしか？
まァ謝ったとて許すワケじゃねェがよ……」
気がつけばソイツの後ろから手下のような男達がゾロゾロ出てきて。
みんながみんな気味の悪い笑みを浮かべていた。
「顔は悪くねェからな。売り飛ばせばそこそこの金になりそうだ」
「！」
「お、おい！妹から離れろ！」
少女にゆっくり手を伸ばす男に、すかさず間に立ち入る少年。
すると男はあからさまに嫌な顔をして、腰に差していたカットラスを抜いた。
(マズイ……！)
おそらく海賊だろうか。
このままではあのお兄ちゃんは殺されてしまう。
そう思うと足は自然と書店からそちらに向かっていた。
「てめェは要らねんだよォ！！！」
『うおおおおおお！！！』
涙目になりながらも、気づけば私は男と少年の間に割り入っていて。
振り上げられた刃が心臓をひと突きにしていた。
死ぬほど痛い。痛いけどこれは一瞬だ。
だって私は……死ぬんだから。
温かい光に包まれる。
体に急激な変化が起きているのを全身で感じる。
(……絶対に)
『──絶対に負けない！』
「！？」
「あ……兄貴！コイツ今兄貴に刺されて……」
「しかも服の色も雰囲気もなんか変わっていますぜェ！？」
みなぎる勇気。湧き上がる決意。
瞳に正義がキラリと光る。
『私が死んでいる限り、この世に悪は栄えない！！！』
──私が２人を救ってみせる！
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なめこ(プロフ) - I r°さん» ありがとうございます！これからも自分のペースで更新頑張らせていただきます！ (2020年12月6日 10時) (
レス) id: 64cb88d55b (このIDを非表示/違反報告)
I r°(プロフ) - すごく好きです！これからも頑張ってください！！ (2020年12月5日 15時) (レス) id: e50f3d6e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2020年11月12日 21時
