13話▽同郷トーーク！ ページ15
静寂を遮ったのは、ジャブラさんの一声だった。
「出身は」
『え』
ここでいきなり出身地を聞かれるとは思っていなかったので、私は思わず声を漏らす。
ブルーノさんは尚も黙り込んでいた。
『の、
「それじゃお前、"海の戦士ソラ"好きだったろ」
『！
は、はい！』
正確には"好きだった"ではなく"今も好き"だけど！
海の戦士ソラ。
私の永遠のバイブルであり、自身の軸となっている作品だ。
アレの影響で、昔は海軍にも憧れてたな。
……自分の運動神経の無さに、だいぶ前に断念したけどねっ！
「やっぱりな。発言から何となく感じてたんだ。
"ソラに影響受けてる"ってよォ」
『エ！す、すみません』
「なんで謝んだよ。
おれとブルーノも
そうだろ？」
「……一応は」
ジャブラさんに話を振られ、ブルーノさんはようやく口を開いた。
お2人も
少し親近感湧いた……かもしれない。
やっぱり、相手との共通点を見つけられたら少し嬉しいよね。
『本当ですか！
良いですよね、海の戦──……』
「まァ今考えりゃタダの洗脳教材だよなアレ。
ガキの頃は面白がってたが」
「おれは特に面白いとも思っていなかった。
毎度ソラが勝つ展開が約束されていたからな」
『……』
今度は私が黙り込む番だった。
突然生き生きしたかと思えば急に萎れて、そんな私の様子を2人は不思議そうに眺めてくる。
「え……お前今でも好きなのか？」
「……まさかCP9にそんなヤツがいるとは」
『お、面白いですよ！？
それに悪を倒す正義のヒーローは、いつの時代でもみんなの憧れですから！』
私、ここに移る時に荷物そんな持ってこなかったけど……海の戦士ソラの絵本は持ってきたんだから！しかも初版のヤツを！
「そういうモンかァ？」
『私の部屋に本があるので、よろしければ貸しますので！
是非読み返してみてください！！
きっと改めて分かる良さってのもあると思うのでッ……！！！』
「本当に好きなんだな」
かくしてブルーノさん宅……ではなく、ブルーノさんのお部屋でのティータイムは終わった。
特に進展があったとかそんなのではないけど。
少しは緊張感が解れたというか、落ち着いたというか。
有意義な時間だった、ハズ！
「……そういえば、秘書官の仕事があったのか」
『わ、忘れてたッ……！』
「ギャハハ！今頃長官独りぼっちだぜ！」
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なめこ(プロフ) - I r°さん» ありがとうございます！これからも自分のペースで更新頑張らせていただきます！ (2020年12月6日 10時) (
レス) id: 64cb88d55b (このIDを非表示/違反報告)
I r°(プロフ) - すごく好きです！これからも頑張ってください！！ (2020年12月5日 15時) (レス) id: e50f3d6e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2020年11月12日 21時
