12話▽私の夢 ページ14
「飲むと良い」
『ど、ドウモ……』
あの後、掴まれていた私を助けてくれたのはブルーノさん。
そして"少し話したい"と言われ、彼の部屋に招かれた。
……ジャブラさんもついて来たケド。
目の前のテーブルに、透き通った黄緑色のドリンクが置かれる。
……毒入ってないよね？
ジャブラさんも同じの出されてるし……信用して良いんだよね！？
私は意を決して、ストローに口をつけた。
『……美味しい！』
「こりゃブドウか」
「あァ、一昨日漬けた。
気に入ったなら何杯でも作れる」
凄い美味しい！
ぶっちゃけ毒が入ってても構わないくらい美味しいよ！
……ん？
『こ、これ……ブルーノさんの手作りなんですか？』
「……意外か？」
「コイツは料理好きでよォ。
年中果物を漬けてたり、ちっこい野菜とかも作ってるんだ」
確かに凄い驚いた、驚いたけど。
"意外か"と聞かれたら、そうでもないかもしれない。
だってしっくりくるし。フルーツシロップ作りしてる姿。
何となくCP9の中では穏健派そうだし、というか良い人そうだもん。
「お前昨日任務だったろ？
やけに血塗れだったが何人殺した」
「いちいち数えていない」
(……)
私はバカなことを考えた、と黙ってジュースを啜っていた。
そうだ……殺し屋に穏健派も過激派もないよ！
グラスの中がもうすぐ空になりそうな頃、ブルーノさんが語りかけてきた。
「……お前の力のことを考えていた。
"死なない能力"というのは、使い方次第で大きな戦力となる」
『！』
「正直、おれ達と同じ"殺し"の任務だって遂行できるはずだ。
お前はこの場で、その力と……今後どう付き合っていくつもりだ？」
彼の疑問は、私の中の疑問でもあった。
この能力に気づいたのだって、ついこの間の話。
それまで私は一生世界政府の役人として……末端でずっと働くと思ってたから。
正直まだビジョンが掴めない。
いきなり凄い力を発見して、いきなりCP9に配属されて。
私は今後、ここでどう働いていくのか。
『まだ……まだ自分でもよく分かってなくて、私』
「……」
『でも、どんな形でも……"正義"に貢献するために、この力を使いたいと考えます』
小さい頃からの夢。
運動音痴で度胸もなくて、それでも諦めきれなかった夢。
"正義の味方"になりたい。
誰かのために仕事がしたい。
取り柄のない私も、何らかの形で誰かを助けられるようになりたい。
言葉はたどたどしくなってしまったが、私は真っ直ぐブルーノさんを見返した。
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なめこ(プロフ) - I r°さん» ありがとうございます！これからも自分のペースで更新頑張らせていただきます！ (2020年12月6日 10時) (
レス) id: 64cb88d55b (このIDを非表示/違反報告)
I r°(プロフ) - すごく好きです！これからも頑張ってください！！ (2020年12月5日 15時) (レス) id: e50f3d6e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2020年11月12日 21時
