30話▽緊急ミッション ページ32
「貴様は終わりだ、スパンダム」
とある街、レストラン。
今日はスパンダム長官がオフということで、彼のお食事の付き添いをしていた。
簡単に言えば"護衛任務"だ。
そんなワケで長官行きつけのレストランに来た私は、つい先ほどまで呑気に舌鼓を打っていたワケで。
まさか……本当に命を狙われることになろうとは！
「先日お宅の
おれは気が短い。殺される前に返す物があるんじゃないか？」
さっきまでは優雅に食事をしていた客も、ウエイターも、厨房内の料理人も。
全員が全員……殺意をこめた瞳で、こちらに銃口を向けていた。
(全員"演技"をしていたってこと……？)
「チッ、道理でいつもより味が酷かったワケだぜ。
それで？本物のシェフはどうした」
「さァ……今頃海の底でサメのディナーにでもなっているんじゃないか？
なんせ肉付きが良かったからな」
柄の悪い笑い声が上がる。
鋭い眼光を放つリーダー格の男の目に、私は歯をガチガチ鳴らしてしまう。
なんで長官はこんなに堂々としてるの！？
言っちゃアレだが彼は武器もなければ戦う術も無いはず！
なのにこんな風に冷静に、余裕そうに相手を睨み返して──……
『……って長官も滅茶苦茶脚ガクガクじゃないですか！？！？！？』
「なんでバラすんだよ馬鹿かてめェはァ！？！？！？」
鼻水を垂らしながら叫ぶ長官を見て、私はしまった！と頭を抱えた。
こんな時でも思ったことが口から出てしまう悪い癖がッ！
「あまりふざけるんじゃない。
おれが貴様を生かしているのは"アレ"の在処を聞き出すためだ。
なんなら無理矢理吐かせてやってもいいんだぞ？」
「ま、待て待て待て！
実は
『(え〜ッ！？！？！？)』
汗ダラダラの長官に指をさされ、私はもはや声も出なくなっていた。
まず話の流れが読めないし！
アレとかソレってなんのことやらなんだけど！？
「今からコイツに詳しい話を聞き出すんで……」
「……」
『ちょ、長官……！？』
長官に強く腕を引かれ、私達は元いた座席に着く。
そしてメニュー表を立てて……彼らに顔が見えないよう、私達は"ヒソヒソ話"をすることに。
『どっ、どどどうするんですか……！』
「どうしたもこうしたもあるか！
お前は
突如言い渡された命懸けの緊急ミッションに、私は目眩がした。
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なめこ(プロフ) - I r°さん» ありがとうございます！これからも自分のペースで更新頑張らせていただきます！ (2020年12月6日 10時) (
レス) id: 64cb88d55b (このIDを非表示/違反報告)
I r°(プロフ) - すごく好きです！これからも頑張ってください！！ (2020年12月5日 15時) (レス) id: e50f3d6e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2020年11月12日 21時
