22話▼傍観者 ページ24
▼カク視点
「おォ、変身しおった」
「けど……問題はここから」
Aを1人残して、わしらは建物の屋上にいた。
ここからだと彼女がいる路地裏がしっかり見渡せる。
この町に降り立った時から、ガラの悪そうな連中に目を付けられていたのは薄々感じていた。
自身が人の視線に過敏なのも、ある種の職業病だろう。
だから敢えてAを置き去りにした。
そうすればヤツらは間違いなく彼女に手を出す。
彼女1人でどこまで戦えるか？
お手並み拝見といかせてもらおう。
「撃ち殺せ！」
「クッ……全然弾が当たらねェ！」
男達の発砲を、Aは華麗にかわしていく。
(紙絵)
前に月歩と鉄塊を使っているのは見た。
普段はあんなに軟弱そうなのに、本当に六式全てを使いこなせるのだろうか。
面白い。
すぐ死んでしまうようではつまらんしのう。
『……喝上げに殺人、バレなければ良いと思って』
「！」
Aから何か強い意志のようなものを感じる。
そのただならぬ気迫に、男達は圧倒されていた。
『そんな"自分本位"なヤツらの被害者の気持ち、考えたことある？』
「ヒ……」
『アンタ達に殺された人間の気持ち、考えたことあんのかよォーー！！！』
「ブヘェーーッ！！！」
重い蹴りが男の腹にヒットする。
男は路地裏から吹っ飛ばされ、表通りに転がり出た。
集団の他のヤツらも、次々と通りへ投げ出されていく。
しばらくして通行人達が騒ぎ出し、保安官が駆けつけた。
どうやらあの連中は常習的に迷惑行為を働いていたようだ。
ぐったりとした男達は抵抗もせず、そのまま拘束されていた。
しかしその誰もが、路地裏に残された彼女の存在に気づくことはなかった。
「……思ったよりパワフルなのね、あの子」
「じゃな。
さ、迎えに行くとしよう。
Aは動けんくなっとるようじゃし」
『──運んでくださり本当ありがとうございました……』
町のとあるカフェ。
わしは動けなくなったAをおぶってここに来た。
3人分の紅茶とパンケーキを注文して。
彼女は先ほどの出来事を隠さず話してくれた。
尤も、わしもカリファも全て見ていたので当然知っていることだったが。
それでも勿論知らない
「災難だったわね」
『うぅ……』
パンケーキが運ばれてくる。
……おォ、美味い！
さすが美食の町と呼ばれるだけあるわい。
「まァー無事で良かったのう」
──やはり外に出かけるのも良いもんじゃ！
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なめこ(プロフ) - I r°さん» ありがとうございます！これからも自分のペースで更新頑張らせていただきます！ (2020年12月6日 10時) (
レス) id: 64cb88d55b (このIDを非表示/違反報告)
I r°(プロフ) - すごく好きです！これからも頑張ってください！！ (2020年12月5日 15時) (レス) id: e50f3d6e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2020年11月12日 21時
