9話▽握手の代わりに ページ11
勤務5日目にもなると、司法の塔の地図も何となく把握してきた。
指令室や給仕室の他に、諜報部員達それぞれの部屋があるようだ。まぁ入ったことはないけど。
……拷問器具とかありそうで怖いし！
とにかく、CP9の誰かの部屋に入るのは今日が初めてだったのだ。
「ルッチ！連れてきたぞ」
「……」
『え？』
──しかも、よりによって"長髪の男"の部屋に！
「捨ててこい」
『ヒッ……』
「そう言うな。彼女はもう仲間じゃろ」
カクに話しかけられたと思えばイキナリ"来てほしい"なんて言われて。
返事もする前に担がれ……気づけばこの部屋に連れてこられていた。
"ルッチ"と呼ばれた男はもの凄く不機嫌そうにこちらを睨んでくる。
うぅ、誰か助けて〜ッ！
「それよりカク、いつまで彼女を担いでいるつもり？」
「ん？
おォすまん。肩にしっくりきてしもうての」
綺麗なお姉さんに声をかけられ、カクは私を床に降ろした。
……あれ？
この部屋CP9全員いる！？長官以外！
「というワケでA。
こっちがジャブラにフクロウ、カリファじゃ」
「おれは前に自己紹介した」
「チャパパパー！
ジャブラはギャサリンに会いに行く道中、彼女と出会っていたのだー」
「あら」
「フクロウてめェ！見てたのか！」
ジャブラさんは前に会った時同様、顔を赤くしている。
……そういうことだったの！
確かに給仕さんにデレデレしてたような。
フクロウさんは前に指令室で見た気がする。
カクと……
そして眼鏡の美人さんがカリファさん。
大人っぽいけど、よく見ると年齢が近いかも？
「そんでこっちがクマドリにブルーノ、しかめっ面がルッチじゃ」
「あ以後ォ〜お見知りおきをッ」
「……例の」
「……」
クマドリさんは、見た目通りというか。
とにかくパワフルな人だ。
ブルーノさんは私を審査するかのように見てくる。
……"例の"って何？私の噂でもしてた！？
そしてルッチさん。長髪でとにかく顔が怖い。
ずっと睨んでくるから私の顔色は青いままッ！
『よ、よろしくおねが……え？』
「……」
「ルッチ？」
小さくお辞儀をして挨拶すると……ルッチさんが目の前にやってきた。
背高ッ！
無言で見下ろされ、私は小動物のように縮こまる。
『あ、あの……何か』
「指銃」
「「『！？』」」
突然の激痛。キュッと締まる心臓。
私は彼に、至近距離で……目の前で胸を"撃たれた"。
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なめこ(プロフ) - I r°さん» ありがとうございます！これからも自分のペースで更新頑張らせていただきます！ (2020年12月6日 10時) (
レス) id: 64cb88d55b (このIDを非表示/違反報告)
I r°(プロフ) - すごく好きです！これからも頑張ってください！！ (2020年12月5日 15時) (レス) id: e50f3d6e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2020年11月12日 21時
