▼ ページ2
「……ふざけんなァ〜！！！」
カスタードに提案されたお菓子は、"マカロン"。
アイツらが帰った後、おれは家にあるお菓子の本をパラパラと見ていた。
彼女は"今のお前にはピッタリのお菓子だ"なんて言っていたが……
"マカロンの贈り物──【特別な人】"
「何でアイツがおれにとって特別なんだよ！」
そりゃ"変人"って意味では他とは違うかもしれないが！
こんなの送ったら、おれがアイツに片思いしてるみたいではないか！
そもそも去年だって、家族のついでに作ったようなものだ。
たまたまホワイトデーに勤務日が被った。だから渡しただけ。
流石に何も渡さないってワケにもいかなかっただろうが。
……それで、せっかく渡すなら
アイツはこの国じゃあ珍しく、甘さ控えめの方が好きなようだし……
「……今年、どうすりゃ良いんだよ……」
「クラッカー兄さん！」
「ん？
ブリュレに……ガレット？」
後日。鎧を纏いビスケット島で見回りをしていると、妹のブリュレに声をかけられる。
その隣にはガレットもいた。
「何の用だ」
「私の島でちょっと事故があって。家の修繕をしてほしいのよ」
「だからアタシの
一応まだ島の巡回中だが、家族の頼みとあっちゃあ断れないな。
おれはチェス戎兵に警備仕事を言いつけると、妹達とマーガリン島へ向かう。
国中の鏡に繋がっているから当然と言えば当然だが。
その情報量の多さに、ここへ入る度に思わず周りを見回してしまう。
そうすると偶に、家族の姿も見えたりするのだ。
「まぁ、ダイフクお兄ちゃんったらサボってお昼寝してる」
「あれは……ナツメグとアキメグかしら」
「……あ」
遠くに見える小さな鏡。
そこに映っていたのは、仕事中のカタクリ兄貴と──……
「あら、Aだわ。
今日はコムギ島勤務なのね」
「ウィッウィッウィッ！何だか2人とも楽しそうねぇ」
おれは何故か目が離せなかった。
どうしてこんな気持ちになるのかは、自分でもよく分からないが……
(やけに胸のあたりが、ムカムカしやがる)
別に普通ではないか。何にもおかしいところはない。
アイツはいっつも色んな島に行って、仕事をしてるだろ。
なのに何で、何でおれはこんな納得がいかないんだ？
どうしておれは……アイツが兄貴の隣にいるのを、"嫌だ"と思っている？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なめこ(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» コメントありがとうございます！こちらも思いつき次第更新していきますので、今後ともよろしくお願いします！ (2022年9月10日 17時) (
レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！もし続編があるのなら、続きを楽しみにして待っています！(*´ω｀*) (2022年1月5日 12時) (レス) @page20 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なめこ | 作成日時：2020年10月30日 19時
