142話▼僕の理想の上司 ページ46
▼モブ視点
「Aさんは、どうして今のお仕事を？」
僕の名前は"ネーム・アールシ"。
最近めでたく世界政府に就職出来た、しがない役人だ。
え、僕がここで働く理由？勿論給料の良さである。
『"海の戦士ソラ"って知ってる？』
「？
あァ……確か昔新聞に載っていた」
『うん。
私ね、ソラみたいな正義の味方に憧れてて』
そう話すこのお方は──ルース・Aさん。
ぼくの直属の上司に当たる人だ。
にしても、"正義の味方になりたくて"？
そんな立派なお考えの人間がいるとは、正直予想だにしていなかった。
だって世界政府は一般市民でも分かるくらい
自身だけでもそれに巻き込まれぬよう、誰しも身を隠すようにここへ所属するものだと思っていたのに！
……なんて考え方をする僕も、性根が腐ってるのだろうか。
「はあ。しかしそれなら海軍の方が、正義の味方って感じですが……
何故世界政府の、中でも"裁判官"に？」
僕がそう尋ねると、彼女はやや困り気味に眉を八の字にした。
Aさんは優しい。ここじゃ彼女のような性格は珍しいようだ。
周りからも"配属先は大当たり"と何度も言われた。
事実、部下思いの良い人だと思う。
『実は運動が苦手で。
最近はトレーニングもしてるけど、海軍は向かないかなーって……』
頬を掻く彼女を見て、"まァ確かに"なんて失礼なことを考える。
『……それにね、私の中にも
──正義のための正義』
「正義の……ための？」
『人の数だけ正義がある。
だから私は、そんな正義を欠くことなく見届けるために……裁判官になった。
私は"司法"を通じて、正義とそれを掲げる人達皆を守りたいと思ったんだよ』
初めて会った時もそう。
この人はいつも真っ直ぐに僕のことを見てくれる。
きっと僕だけじゃなくて、誰に対してもなんだろう。
「……カッコ良いですね」
『へぇ！？』
(この人の下でラッキーだったかもな)
ちょっとは心を入れ替えて、僕も真面目に働くか。
"この後食事でも……"と出かけたところで、まるでタイミングを見計らっていたかの如く
「どうせ暇だろう。面を貸せ」
『え？
ちょ、ルッチさん！？』
あっという間に引き摺られてゆくAさんに手を伸ばす暇も与えられず、僕はその場で1人取り残された。
……やっぱ世界政府、怖いところかもしれない。
「アールシ、お前Aさんを飯に誘ったって？
そりゃダメだ。屈強な"見張り番"がいるしな」
「あれでも"CP0"のメンバーだぞ」
「え……CP0！？」
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なめこ(プロフ) - 綺世さん» 綺世さん、コメントありがとうございます！ルッチの魅力を伝えるのが中々難しかったので、そう言っていただけて嬉しいです〜……！機会がありましたら、次作の際も宜しくお願いします！ (2023年3月4日 9時) (
レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - 完結おめでとうございます！この作品に出会い、ルッチ推しになってしまいました。次作も楽しみにしています！執筆お疲れさまでした！ (2023年2月28日 14時) (レス) @page50 id: 782601e7a1 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - Jaさん» Jaさん、嬉しいお言葉ありがとうございます〜！長い作品なのにありがとうございます……笑 引き続き更新頑張って行きます！ (2023年2月1日 19時) (レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
Ja - とても面白くて昨日から一気読みしました！！更新これからも頑張ってください！！ (2023年2月1日 9時) (レス) @page40 id: f8125b9f7e (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 酢さん» 酢さん、ありがとうございます……ご満足いただけたようで何よりです笑 CP9沼の民の妄想に、最後までお付き合いいただけますと幸いです！ (2023年1月22日 16時) (レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2022年12月3日 15時
