111話▽戯 ページ15
ついに堪忍袋の緒が切れたスパンダム長官は、カティ・フラムを突き飛ばす。
司法の塔6階から落ちれば生存率は0%と言っていい。
……根拠は配属1年目の私だ。
しかし丁度その時。
信じられないことに"海列車"──何故か
「『えええ!?!?!?』」
「き……来やがった〜〜!!!」
先程落ちたと思われた男も、それにしがみついている。
こうして私達CP9と麦わらの一味は、いよいよ戦いの幕開けを迎えたのだ。
皆長官の指揮通りに動く。
諜報部員達は塔内で敵を迎え撃つこと。
長官はロビンさんを連れて正義の門へ向かうことに。
私はルッチさんと共に、長官の護衛を任命された。
海底通路に繋がる地下道を歩く間も、長官はいつもの調子で……いやいつも以上の調子で話し続ける。
周りに音がない分、反響しまくり。情報丸聞こえッ!
(ん?)
そんなことを考えれば、自身の見聞色が何者かの存在を検知する。
小さい
私達の後をつけるように、一定の距離感を保っている。
このオーラは……子供?小動物?
それ程に弱々しく仄かなもので。
「どうかしたか」
すると隣を歩くルッチさんが、小声で話しかけてくる。
長官は相変わらず独り言を続けているので、こちらを全く気にかけてない。
(言って良いのかな……)
ここで彼に教えたら、この2つの存在は消されてしまうのだろうか。
そう思うと次の言葉が出てこなくなる。
「諜報部員に向かないな。お前は」
『え』
「頭の回転が遅くヘマばかり、その上隠し事もろくに出来んとは。
この5年間で全く成長しなかったわけだ」
鼻で笑うルッチさんに、一瞬何を言われたのか理解が追いつかない。
……もしや馬鹿にされてる?
罵倒語しか言われてないッ!
『……ルッチさんこそ、お変わりないようで』
そこで私も少し嫌味っぽく言い返す。
彼は何を思ったのか。
この言葉が気に障った?
とにかく今思えば、"仕返し"のつもりだったとしか思えない。
がじ
『い゙ッ……!?』
左耳に、不意な痛みとむず痒さ。
「……てめェもな」
ペロリ、と舌を仕舞うルッチさん。
その姿は正しく腹を満たした"豹"そのもので。
(み、耳、噛まれ……ッ!!!)
予想だにしないルッチさんの行動に、私はすっかり2つの気配など頭から抜け落ちてしまった。
だけど彼も彼で、それ以上追求することもせず。
……本当に何考えてるの!?
「あ?
A、お前赤くねェか」
「……」
「気のせいかと。長官」
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なめこ(プロフ) - 綺世さん» 綺世さん、コメントありがとうございます!ルッチの魅力を伝えるのが中々難しかったので、そう言っていただけて嬉しいです〜……!機会がありましたら、次作の際も宜しくお願いします! (2023年3月4日 9時) (レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品に出会い、ルッチ推しになってしまいました。次作も楽しみにしています!執筆お疲れさまでした! (2023年2月28日 14時) (レス) @page50 id: 782601e7a1 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - Jaさん» Jaさん、嬉しいお言葉ありがとうございます〜!長い作品なのにありがとうございます……笑 引き続き更新頑張って行きます! (2023年2月1日 19時) (レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
Ja - とても面白くて昨日から一気読みしました!!更新これからも頑張ってください!! (2023年2月1日 9時) (レス) @page40 id: f8125b9f7e (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 酢さん» 酢さん、ありがとうございます……ご満足いただけたようで何よりです笑 CP9沼の民の妄想に、最後までお付き合いいただけますと幸いです! (2023年1月22日 16時) (レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なめこ | 作成日時:2022年12月3日 15時