彦星は誰? ページ23
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翌日、光くんとお祭りに行くことをクラスの友達に話した。
「それ!絶対Aに気があるんだよ〜。」
「どうする?告白されちゃうかもよ?」
周囲の予想以上の反応に私は驚いてしまった。
光くんが私を好き??
そう言われるけど、光くんが私に気があるんじゃないかと思ったことは一度もなかった。
私は光くんのことを中学の頃からクラスが同じで、一番仲の良い男友達だと思っているから、きっと彼もそう思っているんだと思う。
それに、もしも私のことが好きなら、もっと早くに告白してくれているはずだし、何よりこんな私のどこに魅力があるのかもわからない。
余計なことは考えずに、楽しめたらそれでいいかな。
そう思った。
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「ちゃんと浴衣着て行くんだよ。」
友達にそう言われてしまったから、家に帰ると母が昔着ていた浴衣を出してもらった。
紺色に赤い花火の柄がついた浴衣に、黄色い帯。
若い頃の母によく似合いそうだと思った。
母「あったあった!サイズはAにちょうどいいと思うから、ちょっと着てみる?」
母はそう言って浴衣を着せてくれた。
A「長さってこんなもん?」
母「そうね、あんまり長いと歩きにくいから、これくらいが丁度いいかな。Aは色白だから、この色がすごく似合ってる!」
A「よかったー!ありがとう。」
母「それで、誰と行くの?」
詮索されるのが恥ずかしかったから、
A「クラスの友達!」
とだけ言った。
母「友達かー。Aもそろそろ彼氏できないかなーって思ってね。できたらお母さんに報告してよね。」
A「うん、わかった。当分できないと思うけどね。」
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作者名:はー子 | 作成日時:2018年3月27日 22時