こんな先生、いていーの？ ページ13
・
目を開けると見覚えのない真っ白な天井。
ここはどこ？
起き上がろうとすると、カーテンの外から誰かが覗いた。
「あ、起きたー」
そう言いながら入って来た男性は、白衣を着ていた。
「ここ、病院ですか？」
私が尋ねると、
「はははっ、違う違う〜。ここは保健室だよ。もしかして俺のこと、医者だと思った？」
その人は肩を揺らして笑った。
色白で、細身で、綺麗な顔。
男性に使ったら失礼なのかな、とも思ったけれど
美しい
という言葉が一番合っているかもしれないと感じた。
A「あ、あの、私…。」
「テストの途中で貧血起こして椅子から転げ落ちちゃったの、覚えてない？」
彼はまた笑う。
A「えーーーーーーっ！！！」
私は咄嗟に大声を出してしまった。
「大丈夫！テストは最後の一問以外全部書けてたみたいだから。
ついでに最後の問題、選択式だったから、俺が3番って書いといたよ。
合ってたら感謝してねー。
高木さん、昨日徹夜でもしたんじゃない？
寝不足は身体にも、お肌にも悪いからね。
頑張りすぎはよくないぞー。」
その人はそう言って急に顔を近づけて来た。
「ほら、クマが出来てるよ。可愛い顔が台無し。」
教室に男の人と二人きりで、しかもその人が顔を近づけてきたから、
私の顔はすごく熱くなっていった。
「トマト、食べたらいいよ。肌にいいから。」
A「トマト？」
「そう。リコピンが沢山含まれてるから。
それと、」
A「それと？」
「スカート、もっと短くしてもいいと思うよー。そうしたらもっと可愛くなる！
なんてねー。」
彼がそう言ったのと同時に、
「おい伊野尾！！」
と言いながら薮先生が勢いよく入って来た。
伊野尾「なんだよ。」
薮「お前、校則違反推奨してんじゃねーぞ？ヘンタイきょーしって訴えられても知らねーからな。」
薮先生は怒っているんだと思っていたが、途中から冗談まじりに話していて、
この2人は仲が良いんだということが分かった。
A「伊野尾先生、ありがとうございました。」
私がぺこりと頭を下げると
伊野尾「おう！いつでもおいでー！」
そう言ってまた笑ってくれた。
また、行きたいな。
また、行こう。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はー子 | 作成日時：2018年3月27日 22時
