深く、沈む (ページ10)

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辰哉の一言に頭が真っ白になる。

『何言ってんのあんた。振られて頭おかしくなった？』

「なってないよ。ちゃんと考えていってる。」

『だとしたら考えられてないよ、間違ってる。』

「何が？」

首を傾げて本当にわからなそうにする辰哉に戸惑いよりも先に感情が出てしまう。

『なにが？なにって、私のこと好きでもなんでもないでしょ。私たちは友達だったの。今日たまたまお互いがお互いの傷を舐め合っただけ。それだけの関係。貴方は私のことが好きじゃないし、私も貴方のことは友達としか思ってなかった。それがどう考えたら付き合う展開になるわけ？
もしかしてそうすれば一生傷舐め合ってられるねハッピーって思ってるわけ？顔でかいのに脳小さいんじゃない？』

「お、落ち着いてAちゃん。一回深呼吸しよ。」

『落ち着けるか！！！！！！！！』

「まず、俺信じてもらえるかわからないけど今日Aとそういう事して恥ずかしいけどめっちゃ、Aが可愛くて正直一瞬も元カノのことになんて考えなかった。それくらいAのこと好き。あと、聞きたいんだけど、Aは俺のこと友達としか思ってなかったんだよね？過去形だよね？なら今は？俺、今の気持ち聞いてない。
あと、これだけは言わせて。別に元カノの代わりにしてるつもりもないしするつもりもないからその言い方やめて。」

辰哉の捲し立てるような言い方初めて聞いてびっくりして、なんの反論もできなくてかたまってたら慌てた様子で
あ、ごめん、一気に言いすぎた？って顔を覗き込む辰哉の姿とか表情とかに心臓が締め付けられたなんて口が裂けても言えない。