深く、沈む (ページ7)

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そのまま、座っているAを押し倒して跨ると流石に起きるA

『 …え、辰哉、なにしてんの、』

「 Aが悪いんだよ。煽ったから。」

『え、だって友達だよ、私たち。』

「うん。俺もそう思ってた。」

『じゃあ、なんで、』

「傷。舐め合うんでしょ？」

『 …辰哉は本当にそうしたいの？』

「うん。だからしていい？」

『 …いいよ。辰哉がそういうなら。』

その言葉を合図に甘い口付けをする辰哉。

『 …ん、っ…たつや、』

「口開けて、A」

長く付き合う中で初めて見る辰哉の雄としての部分に、
ときめいてしまった自分がいて。

よく見たら濡れた髪とか上裸で細くて白いのにどこか男らしい体つきとか全てが心を熱くしていくようで、たとえ傷の舐め合いでもいいからこのなんだかわからない感情も全て辰哉に委ねてしまいたくなった。

一晩中、甘く切ない夜を私たちは友達という一線を越えて過ごすことになった。