Name of You

大きな子供　YS side ページ27

可愛いって言われない子供ってなんだよ。

子供なんて誰だって可愛いものだろ？

ユウの子供時代が可愛くないはず無いじゃないか…。

顔が険しくなるのをユウに見られたく無くてユウの胸に顔をうずめてもう少し甘えたふりをしながら

なぁ、もしかしてお前さ…

なら、俺が言ってやるよ。子供のお前に可愛いって。

ガバっとユウから離れて座りなおした後ユウを膝に乗せて、ユウの腕を俺の首にまわした。

ん。これ…大人二人だと…あれな体制だな…

俺は今ユウのアッパだ。今膝に乗ってるのは子供時代のユウ。

YS「ユウ。可愛いよ。いい子。ほんとにいい子だ。可愛い子。こっちにおいで。」

って言う俺の言葉で涙をポロポロこぼし始めた

YS「ユウやぁ。可愛いユウ。ほら、こっちにおいで。抱っこしてあげるから。」

「…なに…」

YS「どうしたんだぁ？抱っこしてあげるよ。こっちにおいで。可愛い可愛い、ウリユウやぁ」

子供にするみたいに頬や頭をぐりぐり撫でると

ぎゅぅっと俺に抱きついて声をあげて泣き始めたユウを優しく抱きとめて

YS「ウリユウやぁ。どうした？可愛い可愛いユウ。愛してるよ。」

と、背中を叩いてあやすように話す。

「ジョンウン…。」

YS「泣いてもいいんだぞ。ずっとヨシヨシしてやるからな。可愛い可愛いユウ。」

ユウの中にいる小さい子供のユウに話しかけるつもりで

YS「なんでそんなに可愛いんだ。大好きなユウ。」

と頭にポッポをする。

まだしゃくりあげてる背中をずっとポンポンと叩きながら

YS「いっぱい泣いたらな、笑った顔を見せてくれよ。」

と呟いて子守歌代わりにと、ユウが落ち着くように小さな声で歌う。

何曲くらい歌ったかな(笑)

大きく不規則に動いていたユウの背中がだんだん落ち着いてきて、少しずつ重くなる。

泣きつかれたか(笑)

しばらくこのまま寝かしておくか。

全くお前は…

俺の耳元で規則正しい寝息が聞こえる。

しょうがないな…

少し力を込めて立ち上がると、大きな子供を抱きかかえてベッドまで運んだ

さて…どうするかな？

涙の跡をたくさん残したまま子供みたいに安心した顔で寝てるユウをこのまま一人にするのもな…

って言うのは俺のいいわけだな(笑)

俺も…俺が、離れたくないんだな(笑)

起こさないように隣に潜り込んで、大きな子供を抱きかかえてると、ユウに引きずられるように眠りに落ちて行った。

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