Name of You

絡め捕られる　YS side ページ7

YS「俺の部屋に…来るか？」

そう呟いてた。

こいつの体が一瞬固くなったのが解って

YS「とりあえず、ゆっくり話したい。」

と続けた。

まだ俺は、こいつを抱けない。

抱くつもりも…今は無いんだ。

俺の腹にまかれた手を空いている手でゆっくり叩きながら伝えると

ガタンッと言う音

振り返ると走り去る人影…ヒョク?

あぁ、こんなところでこれは無いな。

悪かったな、気を遣わせて。

あいつの腕の中で体を回転させて顔を上げさせると

YS「俺は、見ず知らずのやつを抱けるほど器用でも優しくもないんだ。とりあえず、今日は話をしよう。」

相変わらずどこを見ているのかわからない目だったけど

すこぉし光が見えた気がした。

あいつはゆっくり頷くと

「あなたに…まかせる。」

と呟いた。

YS「ここはまずい。取りあえず、俺の部屋に行くか。俺らの宿泊先は解るな？」

「解る」

YS「俺はこの部屋にいるから、しばらくしてから来いよ。」

とカードキーを見せた。

「あなた、今日出てた人だったのね。」

なぁ、仮にも仕事で来ててその日のタレントすら覚えてないのか…必要ないってとこなのか？

YS「あぁ」

「イェ…ソン？」

名前も、ホントに憶えてなさそうだな。

YS「なら、お前はアイスビューティだろ？」

「アイスビューティ…そうね。ビューティかどうかは解らないけど…心が無いんだから冷たくて当然。」

その瞳にさ。生気さえ宿ったらきれいだと思うぞ。

今は…なんていうか機械とか人形みたいだけどな。

ゆっくりとそいつの腕を離すと

YS「来るのも来ないのもお前の自由だ。俺はとりあえず部屋に戻る。」

とテラスを後にして、念のため会場のマネヒョンとトゥギヒョンに帰ることを伝えた。

俺は…なんでこんな事になっちまったんだろうな?

ただ…あいつはきっと来る。

俺が待っててやらないとな。

なんて思ってる俺はやっぱりあいつの糸に絡め取られてるのか?

俺って流されない人間のはず…だけどな。

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