五日目・プロフィール ページ5
「なあ、トン氏」
「なんや」
「転職先がWTは勝ち目なく無いか」
「……言うなそんなん」
Aが出てすぐ、シャオロンとコネシマも部屋を出て行った。俺とグルさんだけになって、静まり返った部屋でグルさんは俺に話しかけた。
「そーいやなんか話しとったわ、Aっぽい奴の事」
「ほう、詳しくきかせろ」
「酒入っとったからあんま覚えとらんなあ。きりやんがベタ褒めしとったのは覚えとる」
一言一句覚えてないが、「優秀」「真面目」「カワイイ」だの言っていた気がする。それに便乗して、他の何人かも話していた。
「WTに連絡とってみるか」
「何言うつもりや、グルさん」
「まあ、世間話だ」
絶対嘘やん。このタイミングで世間話は嘘にも程があるやろ。だがAを留めて置きたいのは事実、彼女は穴というほどの事じゃ無いなど言っていたが、そんなのあっちが勝手に思い込んでいるだけである。
先程の議会だって「穴デカすぎて埋まらない、全力で退職阻止しなければならない」という結論に至った。彼女と直接面識のあるエーミールだが、水曜日の午後にいつも本の整理を手伝ってもらっているらしい。書庫所属の事務員とほぼ同程度の働きをしているらしく、抜けられると困るとの事。
「WTが塾を開くと言っていたのは知っていたが……まさか優秀な人材を持っていこうとするとは」
「優秀な奴は学生の頃から優秀なんやろなぁ」
大先生は学生の時からあんなんだからなあ、とため息を吐くグルさん。学生の頃、教師から呼ばれているのを何度も見かけた記憶が蘇ってくる。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
鷹宮A Takamiya
高校卒業後、我々国国軍事務員として採用。
事務員番号 L-1175
※A 〜Bは総統・幹部、Cは幹部候補生相当
D〜Kは一般兵を示す。事務員はその他のアルファベットに当たる。
・目立った功績は無いが、他事務員からの信頼は厚く、どの仕事も確実にこなしている。
・現在幹部候補生の鈴原薙の教育を担当。
・幹部補佐オプロイテとも面識があり、二人でいる場面をよく見かける。
・高校で園芸部に所属、幹部ひとらんらんが運営する植物園に頻繁に出入りしている。幹部ひとらんらんとの面識もあると考えられる。
・栄養失調を頻繁に起こすため、医務室でも見かける事が多い。栄養剤を服用している。
・五月二日、退職届を幹部トントンに提出。
・五月三十日、退職予定。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 247人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
生茶(プロフ) - ゆるゆるなさん» ゆるゆるな様、作品をご覧いただきありがとうございます！不定期更新にはなりますが、読んでいただけたら幸いです。 (3月29日 0時) (
レス) id: cf05a2e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆるゆるな - とても好きです！！これからの更新頑張ってください！ (3月28日 21時) (レス) id: cce9726ea8 (このIDを非表示/違反報告)
生茶(プロフ) - ゲリラさん» ゲリラ様、ご覧いただきありがとうございます！コメント、非常に励みになります。これからもどうかよろしくお願いします！ (3月28日 11時) (レス) id: cf05a2e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ゲリラ - こんにちは‼️更新内容めちゃくちゃ良いです(^ - ^)これからも頑張ってください‼️ (3月28日 11時) (レス) @page4 id: 3562e297db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：生茶 | 作成日時：2024年3月26日 22時
