【d!】黎明、夜明けを待つ。 (ページ6)

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言われてみればそう感じた。確かに入ってきた時よりは熱くない。寒いという程ではなくとも、夏の終わりあたりの温度だろう。この倉庫に涼しくなる様な物を置いていただろうか。それとも水でも撒いたか。

「火元まで行かないか？もう消えてるかもしれない」

「そうだね。煙も引いてきたから大丈夫」

　入口を開いたまま来たから、煙も少し減っている。火事と聞いた時は焦ったが……案外、すぐに片付くだろう。在庫の確認と火事の原因さえ突き止めれば終わる。

　ペ神が立って歩き出したのに合わせて、自分も着いていく。しゃがんで歩いていたから解放感が気持ちいい。ペ神は腰を痛くしたのか、片手で腰をさすりながら歩いている。俺より少し上くらいの年齢なのに、すぐバテるのかと思って心の中で笑ってしまった。明日は我が身なんて言うが、まだ自分は大丈夫なはずだ。

「あ、やっぱりもう消えてるね」

「床も焦げたくらいで被害は少なそうだな」

　いろいろ考えていたら火元に着いていたらしい。想定内の被害で収まったことに安堵して、気分も軽くなった。しかし涼しいと思ったのは何だろうか。かなり涼しいように感じるが……上着を深く着て考えるが分からない。ペ神も頭を傾げているが、自分と同じで何も分からないのだろう。

　そこから動かずに考えていると足音が複数聞こえた。ロボロが手配した消火班だろう。もう火は消えているので意味は無くなったが。班員の先頭の一人がこちらの姿を確認して、消えたことを悟って外へ出ていってしまった。

「……あっ！」

「なんやいきなり。何か……」

「ロボロが言ってた人は！？カメラの死角ってことは……」

「…ここら辺で死角になるなら、この棚の裏だ」

　言われなきゃ思い出さなかったが、確かに言われたな。ペ神が駆け足で裏へ回ると、小さく唸る声が聞こえた。それが気になって裏へ行くと、ペ神のズボンの裾がところどころ赤く染まっていた。同時に広がった血液が見えて、その出血元を目で辿っていくと、衣服に灰が被って女が仰向けで倒れていた。長い白髪で口元が隠れているが、確かこの倉庫に配属されていたバイトの大学生だったはず。

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　主人公の容姿設定を変更いたしました。
　固定は青い目だけでしたが、追加で長い白髪も固定になります。

　また、二人の会話はAに聞こえていません。もう目以外の五感は機能していませんでした。