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「っロボロ、聞こえるか！白髪青目の女が東塔側に行く、捕えろ！」
《ペ神からも言われたわ、そいつ怪我人やぞ》
「はあ！？怪我人があんなに動けるわけねーだろ！」
《まあそうなんやけど、一応保護対象なんやって》
何か話している様だが関係ない。もう帰りたい。ピザパしたくて生きてきたのに捕まって処刑エンドとか目も当てられないので。
入り組んだ道だが、分かりやすい作りにはしてあるみたいで直ぐに抜けられた。彼も追ってこないし、あとはどうにかしてこの敷地から出なければ。変装できれば難易度も下がるが……都合良く落ちてたりしないだろうか。いやあるわけ無いな。そんな馬鹿いないだろ。
「……ええ……何であるの……」
前言撤回、馬鹿いたわ。適当に小屋漁ってたら出てきた。しかもサイズぴったりだった。軍服の他にもウェディングドレスとかサングラスとか出てきたんですがどういう事？仮装パレードでもしてんのかここ。
少し動き辛いがしょうがない、我慢だ。長い白髪も邪魔だな、結ぼう。青目は……どうしようも無いな、諦めよう。カラコンとか言っとけば騙されてくれるだろ。
「それでさあ、総統と書記長様また言い合いしてんのよ」
「あの総統も懲りないな。書記長様に怒られるのなんて分かってるだろうに」
「オスマン様も止めないからなあ」
総統の名前は聞いた事がある。戦争大好き五歳児なんて揶揄されていた記憶しかないが。書記長様、オスマン様は知らない。敬称をつけられるくらいなのだから高い地位にいるのは間違いない。
彼らはここから東側から来た。兵士はそこに集まっているということか。一度紛れてしまえば見つける事は不可能、門もこの服のまま突破できる。兵士が出入りするなんて不思議なことじゃない。
「てかさ、一二番倉庫で火事あったの知ってる？」
「いや？初めて聞いた」
「しんぺい神様と兄さん様が行ったんだけど、怪我人の美人一人抱えてたって」
「そこまで見てたのか。それなら医務室にでもいるんじゃないか」
私の事だ。広まるの早すぎないか？まず私抱えて貰ってたの？自己肯定感高すぎだろ雑面とか思ってたわごめんなさい。そりゃ動くなって言いますよね。
「てか俺ら何しに来たんだっけ？」
「馬鹿、あの小屋壊せって言われたんだよ」
「あー、もうゴミ箱扱いだもんなあ、あの小屋」
続く (更新停止中)
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作者名：生茶 | 作成日時：2023年10月29日 1時
