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門から絨毯に従って真っ直ぐに歩いた先の部屋に来い、という文言通りに移動した先にお目当ての扉が目に入った。
姉が扉に手をかけてゆっくりと開くと、中には十数人の魔族がいた。
視線が一斉に姉に向かうが、彼女は気圧される事なく室内に足を踏み入れる。
私もそれに続く。後ろで扉が元の位置に戻る音が聞こえた。
魔族の方々がいる長いテーブルの手前まで来て、姉は ｢御機嫌よう｣ と挨拶をした。 私もそれに合わせて淑女の礼だけ一緒にする。
テーブルの一番奥に座する魔王が ｢よく来たな｣ と少し笑いながら言った。
一見皮肉にも聞こえるが、別にそういった感じは無さそうだ。
その身に纏う膨大な圧に不釣り合いな程に輝く赤い眼が私たちを映している。
正確には姉を、だが。
それから2言3言ほど社交辞令の言葉を交わし、私たちが使わせて貰う部屋に案内されることになった。
今は顔合わせだけで、自己紹介や生活についての詳しい話等は夕食時にでも話すとの事らしい。
部屋への案内をしてくれる人は鬱さんという方だ。
長い前髪にヘラりとした薄い笑み、少しヨレたスーツを着ているヒョロりとした身体はいかにも弱そうに見える。 実際そんなことは無いのだろうが。
軽い話題で話をしながら移動中に無言の時間を作らないように気を遣ってくれているところを見ると、今のところは私たちを邪険に扱うつもりは無いようだ。
｢王女様って普段は何するもんなん？｣
鬱さんが隣を歩く姉に向かって質問した。
私は姉の2歩ほど後ろから2人に着いて行ってる形だ。
｢そうですね…、毎日お稽古や勉学に勤しんでおりますよ｣
｢やっぱそうなんやなあ…、大変やろ？｣
｢まだまだ学ぶことが多い身ですので…。
でも結構楽しかったりするんですよ？｣
姉はほんの少し敬語を崩した口調で話を広げるように言葉を返す。親しくする意思を見せているのだ。
そんな姉に自然と小さな笑みがこぼれる。
姉はもとより素晴らしい女性だ。
人間と魔族で種族は違えど情があるのは同じこと。姉の人格を理解して貰えれば早々殺意を抱くことなどないだろう。
あくまで私からの観点なので、確かなものとするのは危険であるのだが…。
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rimu - 凄い好きな作品だ...！続き、発狂しながら待ってます！ (2022年4月8日 8時) (
レス) @page33 id: 8604b433e3 (このIDを非表示/違反報告)
ぼっち。 - 初コメ失礼します。今まで読んできた軍パロと一味違う感じで面白いです！！！ (2022年2月24日 18時) (レス) @page33 id: 4a3de4acde (このIDを非表示/違反報告)
冬霧 那恋(プロフ) - すごく面白かったです！妹ちゃんの行動とこの後の展開が気になります…！ (2021年12月5日 20時) (レス) @page32 id: 68a4198d15 (このIDを非表示/違反報告)
トキ(プロフ) - もっとみたい、、比喩表現にﾛﾛﾛだけ気づかないの草 (2021年11月18日 16時) (レス) @page32 id: 44c169a7de (このIDを非表示/違反報告)
青い朱雀(すぐ告る奴) - 今日初めて見させていただいたのですが、姉妹の関係と気持ちの動き方がとても好きです。 (2021年11月16日 3時) (レス) @page31 id: e603c0dff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鉛咲き | 作成日時：2020年4月3日 20時
