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実央の優しさが身にしみる反面、情けなくて思わずため息を吐くと。
「あー、なんでこっち見てたのかと思ったら、りゅーがいるからか。そんなに好きなのか」
「な、なにぃっ?!」
もうさっきの会話で済んだだろうと思ったのに、直輝は更に追い打ちをかけるようにあたしに向かって言った。
「あ、あれ未だに言われてたんだ...気にする事ないよ、直輝が勝手に言ってるだけでしょ?」
実央は直輝を睨みながらあたしにそう言った。
「ほんとだよ!かれこれ言われて3年目なんだけど!」
あたしは椅子に座りながらも地団駄を踏んだ。
そう。あたしには、しつこく言われ続けてることがあって〜...
そんな事をブーブー言いながら、あたしはその頃のことを思い出した____
2年前の春。まだ着慣れない制服に身を包み、どこかソワソワしていた頃。
その時のあたしは、これとなく気分がどんよりしていた。
「なーんでよりによって2人とも違うのーっ」
あたしはクラス分けの表を見て、即座に発狂した。
小学校の時から仲が良かった友達2人が、クラスが分かれてしまった上に2人とも同じクラス。
...ほんっと、サイアクだった。
それに。
「せっかくの再会だっていうのに全然いないじゃん!」
中学校に上がるということは、隣の学校の子、すなわち保育園の友達とも久々に再会できるというわけだ。
それなのに!
隣のクラスも、その隣のクラスにも、少なくとも2人か3人はいたみたいなんだけど...
「...なんでよりによってあの子なんだよ〜...」
あたしはドアの近くの列の席にいるその子をさりげなく見た。
水島隆之介。
一応保育園は一緒だったけど、あたしの記憶だと、多分1回も話したことがない。
それに、保育園の時はしょっちゅう暴れてたから、怖くて近づけたかったんだっけ。
存在は一応覚えてたけど、よく知らないし、ぶっちゃけよりによって、って感じ。
(でも他に保育園の子はこのクラスにいないもんな〜)
それに、別に中学なんて楽しくないだろうし、期待ってもんは大体外れるもんだ。
それについては、諦めるしかないんだけど。
「...仲良くできるかなぁ...」
あたしは、ちょっとサルに似てる子と話している隆之介君を見つめながら、こっそりため息を吐いた。
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爽(プロフ) - えりっち!お久しぶり爽です← 受験生だって分かってるけど顔を覗かせに来ました☆元気かな?また話せるの楽しみにしてるね! (2020年12月6日 21時) (レス) id: 82f3ba1a1a (このIDを非表示/違反報告)
ユキカ(プロフ) - エリカさん» ありがとぉぉぉぉぉお!!! (2020年8月22日 14時) (レス) id: bba7686eb9 (このIDを非表示/違反報告)
エリカ - ユキカさん» 私もユキカちゃんの作品楽しみ!大好きだぜ☆← (2020年8月22日 14時) (レス) id: a0c1a93d36 (このIDを非表示/違反報告)
ユキカ(プロフ) - エリカさん» 楽しみですな!続き待っとるぜ☆ (2020年8月22日 14時) (レス) id: bba7686eb9 (このIDを非表示/違反報告)
エリカ - ユキカさん» いやはやなんとも青春ですなぁ中学というものは←誰役だよ これからどうなっていっちゃうんだろうね〜この子たち笑 (2020年8月22日 14時) (レス) id: a0c1a93d36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリカ | 作成日時:2020年8月17日 20時