【アイナナ】 なんでもあり短編・中編集 ２

キスして　【九条天×照れ屋彼女】 ページ28

天side
ボクは、今日あることを彼女に言おうと思う
いや、ずっと前から思っていたことだけど。


天「A」


『…なに？』


天「キスして」


『………はっ！？何言ってんの！？ば、馬鹿じゃない！？』


そう顔を真っ赤にして、ボクの顔を二度見するとボクとの距離を開ける
馬鹿？そんなことない。


天「だっていつもボクから。たまには君からしてもいいんじゃない？」


『…』


無言で首を横にふるA
彼女はすごく愛情表現が下手。だからたまに不安にだってなる
それに愛する彼女にキスしてほしいなんて、だれでも思う事


天「ほら、準備はできてるよ」


ボクは目を閉じて、グイッと彼女に顔を近づける
でも、頬を手を添えて、押し返してくる。ボクがうすく顔を開けると顔を真っ赤にして目を逸らしているのがわかる。…可愛い


『む、無理だから！私からとか無理！』


天「どうして」


『どうしても！！』


天「理由になってない」


『いいから！』


ボクは小さく息を吐くと、彼女から離れる
Aは安心したような顔で。


『…天、怒ってる？』


天「なんでそう思うの」


『…顔がムスッてしてる』


天「Aがキスしてくれたら機嫌直るけど」


『子供か！』


自分でも、子供っぽい自分らしくない発言だと思う
……でも、してほしいものはしてほしいんだから仕方ない
ボクからキスしてもいいけど、やっぱり彼女からしてほしい。たまにはね

なんて考えてると一瞬だけ唇に何かが触れる。本当に一瞬
触れたの？って疑問になるくらい。
でも、顔を真っ赤にしているAを見る限りキスをしてくれたんだろう


本当に、可愛い。
いつもこういいながらしてくれて。照れ屋で優しくて、愛しくて仕方がない

ボクはぎゅっと彼女を抱きしめた


天「…ありがとう。すごく嬉しい」


『もう…二度としない…』


か細くそう答える彼女がまた可愛い
本当にこの子はどこまで好きにさせたら気が済むんだろう


天「愛してるよA」


そういうと、ぎゅっと抱き返してくるA
そして小さな声で「わ、私も、愛してる」と言ってきてくれた

勘違いからの　前編　【十龍之介×ネガティブ彼女】→←大人の恋愛　【二階堂大和×年下女子】

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