睦月家の女 ページ8
五条side
『先輩は何でここに?』
五「きちゃ悪いか」
『空気を吸いに来たんですね。わかります』
まるでわかってるかのように話すこいつに苛立ちがつのる。忘れもん取りに来ただけだわ!
五「あぁ゛?誰もんな事言ってねーだろ」
『私だってきちゃ悪いとか言ってませんけど』
五「へーへーそーですね」
生意気な奴め。
手をしっしっとフリそろそろ殴られる覚悟をしていれば案の定ミシッと竹刀が音を上げる。
ちらっと見ると今にも泣きそうな顔をしていた。
え!どうした俺悪いことした?!
女ってわかんねー!恐る恐る様子を窺えば真っ直ぐな目と合う。
『練習するんで、失礼します』
練習だ?
オーバーワークだバカッ!
止めようとすれば重力に従い落ちていくそいつ。
地面に着くのを腕で防ぎゆっくりと両腕で持つ。
いや、竹刀離せよ。
五「たく、世話の焼ける後輩だな」
ぐったり眠っているこいつを見れば疲れが吹っ飛んだのはきっと俺の疲れを吸収したのだろう。
女子寮に来て硝子のドアを乱暴に足でノックする。
少しして嫌にでかいため息を聞かされたあとドアが開いた。
家「げっ、悟かよ……お前くそからクソカス野郎に成り下がったな」
五「断じてヤってない」
キレ気味に言えば「あっそ」と返される。
五「こいつの部屋知らねーか?」
家「1年か。どこで拾ったか知らないけど早まるなよ」
五「ヤんねーつってんだろ!」
家「でかい声出すな。起きるだろ。多分一番端っこの部屋。ついてくる」
ボロボロのやつに手を出すほど飢えてねーよ。
部屋に入れば随分と殺風景だった。
五「女にしては物が少なくねーか」
ジトッと見てくる硝子。
そういう意味で言ってねーよ。
硝子が靴を取ったりしてベッドに下ろす。
竹刀を取ろうとするも離さない。
夢で訓練でもしてんのか?!
五「この、離せ!なんつー馬鹿力してんだ」
家「ちょっと待って」
そう言って近づいては睦月Aの頭を撫でた。
家「よく頑張ったね。少し休みな。その間見ててやるからさ」
そういえば、パタリと落ちる腕。
硝子が竹刀をとり、市内入れにしまう。
どんな環境で育ったらこうなんだよ。
家「お前が変な気起こす前に退散退散」
五「んなことねーよ!」
睦月Aね。
家「次の任務大丈夫か?」
五「っべ、忘れてた」
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作者名:ピザうどん花子 | 作成日時:2021年3月14日 18時