目黒のトリコ (ページ5)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:29,623 hit

5コマ目ページ5

.

｢もーーー、めめ！！！｣

サークルの時間になり、部室へと移動すると
ラウールがほっぺを膨らませていた

可愛い

｢出してくれた？｣

｢出したよ！感謝してね！てか、連絡遅い！ギリギリだったんだから！｣

2限の出席のことだろう。代打でラウを頼っていた目黒は部室に来てそうそうラウにお説教されている

｢ごめんごめん、分かったから、これやるよ｣

ひょいっといちごオレを渡す

｢え！ありがと！丁度喉カラカラでさ、、、って空じゃん！！！！｣

コントのようなやり取りを見て笑ってしまう

｢も～、Aちゃんも笑ってないでなんとか言ってよ！もー！どうせAちゃんと康二くんがサボったから俺に回ってきたんでしょ｣

分かってるんだからなって分かりやすく拗ねるラウは弟のように可愛い

｢あーー、もうそんな拗ねんで？ごめんて｣

ごめん！ラウール～と抱きつく康二に続いて、私はいちごオレをラウに渡す

｢そうだよ、ラウ。ほら、これ飲みかけで良ければだけど、残り飲んでいいよ｣

いつもなら飲み終わるいちごオレをなんだか今日は気分じゃなくなって半分以上も残してしまった

｢え！めっちゃ入ってるやったー！｣

いえーーいと両腕を上げて喜んだ後、私の飲みかけのいちごオレを飲もうとしたら

｢え、俺も飲みたい｣

ひょいっと奪い、口付ける目黒

｢あー！ちょっと！え、なにこれ、酷くない？？｣

え？なにこれ？え？いじめ？？こわい！！っと1人芝居を続けるラウを横目に

ラウから奪い取ったいちごオレを飲む
飲む時にこちらをじっと見つめてくるけれどその意図は読めず

？え？なに？

ラウと康二は気付いていない

｢あ、でも1口でいいわ、あげる｣

｢あ、意外と優しい｣

｢ラウ、あかんで、、、奪われた時点でアウトや｣

返せっと奪い返したラウは美味しそうにいちごオレを
飲み干す

｢生き返った！！ありがとうAちゃん！｣

と空であろう容器を渡そうとしてきた

｢いや、自分で捨てや！笑｣

｢てか、久々に今日みんな集合するかも！｣

｢ほんまに！それは嬉しいわ｣

｢え！そしたら俺阿部ちゃんと舘さんに勉強おしえてもらお～っと｣

3人で盛り上がる中
バチッと目黒とふっかさんの目が合う

目黒が、何も無かったかのように目を逸らしたことは、当事者である2人以外気付いていない

｢ははっ、消毒？？笑｣

ふっかさんが、小さく呟いたその言葉は誰にも届いていない。