生意気ボーイ

切ない ページ40

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涼太side



可愛いなぁ


普段女の子には抱かない気持ちが、僕の胸の中に溢れる


白い肌とか、優しい声とか笑った時にちょっとできるえくぼとか、髪の毛の先っぽだけちょっと外ハネな所とか



全部が可愛いなって思ってしまう



でも、この気持ちに｢恋｣って名前があるんだって気づいた時



彼女は、玲於が好きになっていた




もっと、気づくのが早かったらなぁ



そんなどうしようもないことを思いながら、ちょっと切なそうな顔をしてるAちゃんの手を握った



我ながら、何してるんだろうって思う





ほら、Aちゃん驚いてるし。笑




おっきい、黒目がちな瞳を精一杯丸くして｢驚いてる！｣って全身で表現してるみたい



可愛い、笑




『りょ、たくん？』



あー、そっか。


この子、恋愛経験少ないんだった



顔がボワって赤くなったAちゃんが面白くて、ついつい空いてる方の手でほっぺたをつつく




『や、めてよ、爆発しちゃう』


恥ずかしくて、って付け足したAちゃんの顔はゆでダコみたいになってる。笑



僕がこの顔にさせてるんだって思ったら、ちょっと玲於に優越感




玲於がひなちゃんの事を好きなことは前々から分かってたけど、Aちゃんの前であんなあからさまな顔をしてたら、



思ってた通りAちゃんは勘づいて悲しそうな顔をした




“一方通行って、辛いね”





分かるよ、僕も今一方通行をしてるから



一方通行なら、それなりに出来ることはしたいんだ



手を繋いだまま急に止まった僕につられるようにAちゃんが止まる


まだ赤みの引いてない顔でキョトン？って顔をした



そのまま、繋いでた手を引っ張って抱きしめる



『ちょっ、りょ、た…くん』


涼太｢Aちゃんは、誰が好きなの？…玲於？｣



馬鹿だなぁ、自分の首を絞めるようなこと





返事なんて決まってるはずなのに









『…うん』







あぁ、やっぱりそうだよね







｢A！｣






息を切らせながら走ってやってきたのは、目の前の彼女の想い人





なんで？って目を丸くさせながら驚いた顔をしてるAちゃん




ねぇ、今僕が君のことを見てるのに









驚いた顔をしていたAちゃんが、玲於をみながらふにゃって笑った








離れた体温が寂しいと思ったのは、





きっと、僕だけなんだ








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