翔太くんに一目惚れしたようです。【青】

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予約を取ろうとしてから、最短で２週間後になった。

人気ありすぎるぅぅぅ。



仕事は相変わらず忙しくて、だから余計に翔太くんに会いたくて、恋しい気持ちが募りに募った２週間だった。





「いらっしゃいませ！」

「あのぉ、予約してた、」

「あ、はい！柳澤さんですね、此方へどうぞ」




あれ？ 翔太くんは？

このお店は受付からシャンプーも全て1人が最後まで受け持ってくれる。

だから翔太くん以外の人に席に案内されるのは初めてで、初めての事には不安になってしまって席についてからキョロキョロして捜していれば、店の奥から翔太くんが出てくるのが見えてホッとした。


のも束の間で、翔太くんは別のお客さんの方へ行って髪をセットしている。



「すみません。今日イベントがあるのか予約がかなり被ってて。カットは渡辺さんがするんですが、シャンプーは私が担当させてもらって良いでしょうか？」

「え、っと…」


嫌とは言えない。

バタバタと動き回ってる翔太くんを見れば忙しいのは分かるから。


「はい、お願いします」

「ありがとうございます。ではこちらへ」





翔太くんのシャンプーはとっても気持ちいい。


大きな手で包み込むようにして優しく洗ってくれて、頭上から掛けてくれる言葉もまるで子守唄のようでいつもうとうとしちゃうの。


触れられるだけで癒される。

今日も、楽しみにしてたのになぁ。





ゴシゴシと洗ってもらっても気持ちいいと感じないし、早くこの時間が終わらないかとさえ思ってしまう。

一生懸命やってくれてるお姉さんには悪いんだけど。





「はーい、おつかれさまでした。椅子起こしますね」



軽くマッサージされてから席へ移動する。

暫く待っているとパタパタと翔太くんはやって来た。



「Aちゃんごめんな。今日はどうするんだっけ？」


忙しくても、やっぱり笑顔はいつも通り爽やかで。


「あの、枝毛が」

「あ、マジじゃん。ちょっと傷んだね。夏だし髪も紫外線でやられたりすっからなぁ」

「ほんとはもっと早く来たかったけど、翔太くん予約取れないんだもん」


これはちょっとしたした嫌味。

拗ねてるんです、私。



「ごめんごめん。もしかして俺の指名辞めんの？」


シュンと子犬みたいに眉を下げて鏡越しに私を見つめる翔太くん。

キュン、


「やめ、ないよ」

「良かった」


ほんとずるい。




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