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「別に1人でどうとでもなったし!」
「……ふうん」
「……帰ります」
この空気耐えられない。
なんで素直にありがとうって言えないんだろう。
ふらつきながらベットを下りれば、ガシッと腕を掴まれた。
「お前、誰でもいいのかよ?」
「え、」
「俺の事、好きなんじゃねぇの。あれ冗談?」
「ちがっ、」
冗談なんかじゃない。
冗談なわけないのに。
ずっと好きだって伝えてたのに、振り向いてくれない私を見ようとしてくれないのは翔太くんじゃない。
なのになんで翔太くんが怒ってるの?
私が何したって関係ないじゃん!
「誰でもいいんだったら、俺が抱いてやろうか?」
_______は?
気づいたらベットに逆戻りで、私の上に翔太くんが覆いかぶさっていて、なにこの状況はって。
「しょ、たくん?」
「男なら誰でも良いんだろ? 遊びたかったんじゃねぇの?」
「えっと、」
否定しなきゃダメだとわかってるのに、まだお酒が残ってるせいか、それとも突然のことに頭がついていかないのか声が出ない。
「あのっ、えっと」
「黙れよ」
「んっ」
唇が熱い。
むにって柔らかくて、無理矢理こじ開けられた隙間から翔太くんの舌が入ってくる。
ビリリと背中に電気が走ったような感覚。
「ンンっ」
やめて。
やだやだ!
こんなの嬉しくもなんともないっ!
こんなふうに翔太くんにキスされたくない!
無我夢中に首を振って、一瞬唇に走ったピリッとした痛み。
「っ、」
翔太くんを見上げたら唇が少し血で滲んでいる。
ああ、ごめんなさいっ。
「ごめっ、」
「これがお前のやろうとしてたことじゃん。なに泣いてんだよ」
「ッッ」
パシンッ____
乾いた音が部屋に響く。
思わず翔太くんの頬を叩いていた。
そしてそのまま、「っ最低!」と私は彼の部屋から逃げた。
終わった。
これで何もかも、私の恋は終わったんだ。
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ゆきんこ(プロフ) - ななさん» 最初、彼の役目は別にキューピットにしようと思ったわけでなく、本当に暗くなってしまう話しに花を持たせる役として彼を入れたら話が上手く行くなーって事で毎回登場するキューピットさんです(笑)ラストもそれなりの活躍をする予定なので見てもらえると嬉しいです☆ (2021年4月5日 17時) (レス) id: 4af061861f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。様、コメント有難うございます☆私的にも短いなぁとは思いながらも満足してるので、楽しんでもらえてたら嬉しいです!今回は出張キューピットさんでした(笑)多分彼、後の友人の反応が楽しみだっただけなんです(笑)ラストもよろしくお願いします!! (2021年4月5日 17時) (レス) id: 4af061861f (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - こんにちは、ゆきんこさんお返事ありがとうございます笑はいまさにその通りです!!暗くなったシーンが一気に明るくハッピーエンドに向かうのでその感覚がたまりません(´>///<`) (2021年4月5日 16時) (レス) id: c8f17d7735 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - ゆきんこさん!お名前シリーズありがとうございます!短くてもドキドキもキュンキュンもできて素敵なお話でした!そしてふっかさん(笑)キューピッドの入れ知恵はまさかのプロポーズ!!流石っすね、ふっかさん!お名前シリーズのラストもこれから読ませて頂きます! (2021年4月5日 16時) (レス) id: 59fd607722 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ななさん» なな様、おはようございます。私こそ、またこうしてお返事頂けて嬉しいです☆いつも有難うございます!ふかこじコンビですね☆この二人、暗くなりすぎた時にお話に出すと、それだけで明るくなる気がするので素晴らしい方です(^-^)私も好きです。 (2021年4月5日 7時) (レス) id: 4af061861f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2021年4月2日 22時