従兄弟様だぞ！ (ページ3)

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「ん？」

視界の端、囁きの森の方で何か大きいものが動いたような気がした。しかし、本当に動いたかどうかはそっちに注意を払っていなかったから分からない。

「……んぁ、ちょ、アンバー」

「ん？なに、どうしたの？」

「あっち。あそこの空、あれって風魔竜じゃないのか？」

ぴょ、と指さした先は望風山地の方。遠くからでもよく見えるほどの巨大な影が飛び去っていくところだった。

「わ、ホントだっ！ジンさんに報告しておかないと……」
「思っていた以上に近くまで来てるみたいだな……」

す、と目を眇める。一瞬強い風が、俺たちの間をすり抜け、風立ちの地へと流れていく。
胸騒ぎがする。……良くない、かも？

「……アンバー、任務俺もついて行くわ。気が変わった」
「え？そ、それは……いい、のかな？でも、なんで急に？」
「うん……何となく？」

ええー……って顔された。なんだよ！悪いか！悪いな……。

「別に任務について行っちゃだめって規則はないけど……」
「まあまあ、最悪俺がまたヒルチャールに紛れてたから監視のためにってことにしとけばいいから！」
「うん、それなら通るかも！」
「…………そっか……」

なんだろう、自分で言ったことなのになんかダメージ受けちゃった……。

そうして、俺はアンバーに同行し、巡回も兼ねて囁きの森の方へと向かうことにした。