scene128 知りたくなかった ページ44
2014年7月
ヨーロッパでの大会と、国内の合宿のを終えて、数日間のオフ。それが終わればまた海外での大会が控えていた。
マサも2日後から国内の合宿とヨーロッパの遠征に参加するから少しだけ会える。
トレセンでの合宿のあとの、ちょっとした食事会のあとそのままの足で家まで帰ってきた。
あの出来事以来、1人の時は電車は使わずになるべくタクシーを利用している。
タクシーを降りたら、私の家の電気がついているのが見えて、きっとマサが待ってるんだと、少し早足になる。
遠征や合宿で離れている間、いつも電話やLINEで連絡を取っていたけど。離れる前、毎日一緒にいた反動からか、文字や声だけだとなんだか余計に寂しくなるばかり。
それに、慶應のツイッターなんてのも始まって、○ちゃん含むマネージャーさんが写真付きでいろいろ近況を呟いていて…ちょっとした嫉妬と、不安と。
鍵をドアに入れ回したら、内側から開いた。
「マサっ」
「おかえり」
玄関で思いっきり抱きついたら彼はそのまま体制を崩して尻餅をついて、彼に覆いかぶさる形になった。すぐ目の前にある彼の綺麗な二重の切れ長な瞳と見つめ合う。
「会いたかった」と呟いたら、彼の唇はなにも言わずに私の唇に重なった。
久しぶりに会った彼の匂いや、キスの味、体温、耳に響く声、いつも通りなにも変わらなくて。
あ、でも１つだけ変わった所があった。
「マサ髪伸びたね」
「そお？」
「うん」
「まぁ、最近行ってなかったかも」
彼の胸の中が心地よすぎて、耳を肩の辺りに預けたら「とりあえず部屋入ろう」と体を剥がされてしまった。靴を脱いで、部屋に入ったらまた彼に抱き着いた。
「A？どーしたの？」
「どうもしないよ」
私からあまりアクションがないと、いつも言われていたから、いつもと違って戸惑っているのかもしれない。「珍しい」と彼が言ったからその通りみたいだ。
「いいでしょ…？」
「いいけど」
「寂しかったんだもん」
「ん、」
「会いたかったの。今日は離れない」
「そんな可愛いこと言うな」
やっと彼が私に腕を回して、抱きしめてくれたけど。ギュッと少しだけで。
肩を掴まれて、そっと体を離された。
「A」
「ん？」
「大事な話がある」
いつになく、真剣な眼差しと、大事な話というフレーズに緊張が走る。
「少し前に決めてた事なんだけど、直接話したくて」
「うん…、嫌な事？」
私の問いかけにマサは違うとは言ってくれなくて。時計の針の音が響く。
scene129 約束→←scene127 みんなのお姫様��
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アキ(プロフ) - jp0b1qさん» コメント有難うございます！だらだら長くて、楽しんで頂けているのかな？と不安になりながらも続けていたので、そう言って頂いて本当に嬉しく、力になります！読むの疲れてしまうと思いますが、ぜひ最新話までよろしくお願いします！ (2017年6月25日 0時) (
レス) id: 5a1b3de531 (このIDを非表示/違反報告)
jp0b1q(プロフ) - はじめまして！キラキラ楽しませていただいております！姫ちゃんの決断に涙が(´;ω;｀)これだけの長編、大変だと思いますが、ぜひ、もっと続けていただきたいです！ (2017年6月23日 10時) (レス) id: 8ef0863dfa (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - みずきさん» 続き更新しましたっ！切ない展開になってしまいました(´；ω；`) まだまだ、2人を追いかけます！ (2016年10月19日 21時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - AZUSAさん» コメントありがとうございます！二人には恋愛と同じくらい大事なものがある！二人の物語はまだ続きます！ (2016年10月19日 20時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - さりーさん» コメントありがとうございます！！続き更新しましたのでぜひぜひ！また感想あればお願いします！ (2016年10月19日 20時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキ | 作成日時：2016年8月7日 20時
