scene121 上書き保存�� ページ37
30分ほど前に先に眠ってしまった彼女。
やはり、普段の学校生活に部活にプラスして、常に気を張っているからなのか、疲れてしまうんだろうか。
ゴロゴロと横になって携帯したり、テレビ見てるなと思ってたら、いつの間にか落ちてる。
彼女が寝てしまえば暇で。俺も早々に彼女が寝ている隣に潜り込み、眠くなるまで携帯で暇を潰していた。
Aの部屋に来た時に「真っ暗が怖い」と言っていて、部屋の照明の豆電球をつけて眠るのが常になった。
まだあの日の出来事が、トラウマのように、Aの中には強烈に残ってしまっているんだろうと思うと、本当に悔しい。無理矢理に踏み込むことも出来ないし、手を繋いで、抱きしめるより先には簡単に進むことは出来ない。
こんな無防備に寝られたら、そろそろ限界だってゆうのに。
そんなことを考えてたら、急に「マサ」と隣で眠るAが呟いてビクッとする。別に何もやましい事考えてないし、と何故か自分に言い聞かせて、ちらっと確認すると瞳は閉じていて、寝言かと、なんでかほっと安心してまた正面を向き直す。
そして、夢に自分が出てきてるなんて、なんだか嬉しくて思わずにやけてしまう。
するともう一度「マサ」と呼ばれ、今度は彼女の方に体ごと向けて、眠る彼女を見つめた。
閉じられた 瞳からはすっと一筋涙が流れた。
「えっ」夢見ながら泣いてるって、いったいどんな夢？しかも俺出てきてるのは間違いないし。心なしか苦しそうな表情だし。
「A…、Aっ」
少し体を揺すると、涙がこぼれた瞳がゆっくりと開いた。
「マサ…」
「ん、A泣いてるよ」
彼女は、恐る恐るといった感じで手を握って、「ごめんなさい」と、小さな声を零すとまた泣いてしまう。その雫を人差し指で撫でた。
「なに？どんな夢見たの」
「ゆめ？」
「夢でしょ、」
「そっか…」
「…で？どんな夢？」
黙り込んでしまうAに「俺出てきたんでしょ？」と聞くと、うん、と頷く。
「…マサに、き…」
「き？」
「キ、キスしたら、」
「ん、」
「き…」
「また、き？」
二回とも「き」で止まるAに、少し笑う俺とは逆に、彼女の瞳からはまた涙が溢れる。
「気持ち、悪いって…俺以外と、キス、したからって…」
どんどん溢れてくる彼女の涙を一粒ずつ指で掬う。ってゆーか、夢って潜在意識とか関係してるよな、Aの中の俺はそんな奴なのか。
scene122 上書き保存�□�←scene120 冷たい瞳
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 565人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アキ(プロフ) - jp0b1qさん» コメント有難うございます！だらだら長くて、楽しんで頂けているのかな？と不安になりながらも続けていたので、そう言って頂いて本当に嬉しく、力になります！読むの疲れてしまうと思いますが、ぜひ最新話までよろしくお願いします！ (2017年6月25日 0時) (
レス) id: 5a1b3de531 (このIDを非表示/違反報告)
jp0b1q(プロフ) - はじめまして！キラキラ楽しませていただいております！姫ちゃんの決断に涙が(´;ω;｀)これだけの長編、大変だと思いますが、ぜひ、もっと続けていただきたいです！ (2017年6月23日 10時) (レス) id: 8ef0863dfa (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - みずきさん» 続き更新しましたっ！切ない展開になってしまいました(´；ω；`) まだまだ、2人を追いかけます！ (2016年10月19日 21時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - AZUSAさん» コメントありがとうございます！二人には恋愛と同じくらい大事なものがある！二人の物語はまだ続きます！ (2016年10月19日 20時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - さりーさん» コメントありがとうございます！！続き更新しましたのでぜひぜひ！また感想あればお願いします！ (2016年10月19日 20時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アキ | 作成日時：2016年8月7日 20時
