scene120 冷たい瞳 ページ36
深夜2時。
何故だかパチリと目が開いた。
静寂の中、隣で眠るマサの寝息が静かに聞こえる。
暗闇が怖いと私が言ったから天井につく照明の豆電球がついた部屋は、うっすらと周りが見える。ベッドでほんの少しだけ距離を取って眠っている彼。
この距離は彼が私を気遣ってだという事は知っている。私に触れるときは必ず断りを入れる。
この彼との間に出来てしまった小さな溝は、私から埋めていかないと、きっといつまでも埋まらない。
今日も彼は、帰り道に手を繋いで、二人きりになれば抱きしめてくれた。
まだ、瞬間的にあの日を思い出しそうになるけど、あの日と違うのは彼の匂いだったり、声だったり。五感が感じる大好きな人。
「マサ…」
寝息をたてている彼との距離を詰めて、綺麗な寝顔に問いかけた。
まだ起きる気配がなくて、ふと、キスしたいってゆう気持ちが芽生えた。
少しだけ開いた薄い唇に、触れるだけのキスを落とした。
顔を離して彼を見つめると、ピクリと動いた瞼はゆっくりと開いて、目が合った。
「…ん」
「ごめん、起こした」
「ねぇ、キスした？」
「えっ？」
「まじで気持ち悪い、俺以外の男としたんでしょ？…A、ソファで寝てよ」
「…」
「マジで狭い」と呟きながら、背中を向けた。
「マサ」と呼ぶと、「もう、寝かせて」と背中のまま答えた。
な、んで？
胸が苦しくて、息苦しい。呼吸が出来なくて、溢れる涙をゴシゴシと拭いた。
「マサ、」
「…」
イヤだよ、嫌いにならないで。
ひとりにしないで…
さっき見た冷たい瞳が頭から離れない。
scene121 上書き保存�、�←scene119 初めて触れた日のようで��
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アキ(プロフ) - jp0b1qさん» コメント有難うございます！だらだら長くて、楽しんで頂けているのかな？と不安になりながらも続けていたので、そう言って頂いて本当に嬉しく、力になります！読むの疲れてしまうと思いますが、ぜひ最新話までよろしくお願いします！ (2017年6月25日 0時) (
レス) id: 5a1b3de531 (このIDを非表示/違反報告)
jp0b1q(プロフ) - はじめまして！キラキラ楽しませていただいております！姫ちゃんの決断に涙が(´;ω;｀)これだけの長編、大変だと思いますが、ぜひ、もっと続けていただきたいです！ (2017年6月23日 10時) (レス) id: 8ef0863dfa (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - みずきさん» 続き更新しましたっ！切ない展開になってしまいました(´；ω；`) まだまだ、2人を追いかけます！ (2016年10月19日 21時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - AZUSAさん» コメントありがとうございます！二人には恋愛と同じくらい大事なものがある！二人の物語はまだ続きます！ (2016年10月19日 20時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - さりーさん» コメントありがとうございます！！続き更新しましたのでぜひぜひ！また感想あればお願いします！ (2016年10月19日 20時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキ | 作成日時：2016年8月7日 20時
