scene110 姫を守る王子 ページ26
春季リーグ３日目。
慶應大学男子はセットカウント0-3で完敗。
キャプテンとして、責任をものすごく感じる。
明日は飛ぶ鳥落とす勢いの石川率いる中央大学。1年が中心のチームだけどすごくまとまっている。さっきの試合もすごく良かった。
控室に戻る道のり。
第1試合から第3試合まですべてストレートゲームだったためか、思いの外早く試合が終わっている。
さっき、○が女子バレー部のマネージャーに確認したところ、女子はついさっき試合が始まったばかりらしい。
なかなか彼女が試合してる姿って見ることができないから。Aに憧れている、○も一緒にいくというので二人で急いで会場に向かう。
席に着き掲示板を見るとセットカウント1-0で負けていて、2セット目ももう直ぐ落としてしまいそうという展開。
コート内、ボールを追いかける中にAの姿はない。リザーブのメンバーも全員、ひとりひとり確認したけど、彼女の背番号「8」の数字は見当たらない。
「A先輩、いないよね？」
「うん…」
アオイもそう言うなら、間違いない。
怪我？病気？それなら俺に何か一言ありそうだし、どちらにせよ軽度ものならベンチにはいるはず。
なんだか胸騒ぎがして、慌ててAに電話をかける。
発信音が鳴りしばらくすると留守番電話になってしまう。諦められなくて、もう一度かける。
5回、6回と鳴る着信音が途切れたけど、無言で。
「もしもし？A？」
『柳田さん、石川です』
「は？なんで？」
『今、この建物の医務室にいます」
慌てて席を立ち外に出た。
階段側に館内の地図があったはずと、そこに向かい場所を確認して、階段を駆け下りる。
医務室の名前を見つけ、扉の前に立ち、すごい速さで鳴り続ける鼓動を落ち着かせるように大きく息を吸った。
ガラガラと開いた扉。
並んだベッドは一箇所だけカーテンが閉じられてる。部屋の中に他に人はいないから間違いないと思い、そっとカーテンを開ける。
Aは体育座りをして、顔を膝の中に埋めていた。その右手は石川が握っていて。
俺に気づいた石川が顔を上げた。
「柳田さん…早かったですね」
「A…」
呼び掛けると顔を上げずにAは首を横に2、3回振る。
「マサ……来ないでっ」
目すら合わせてもらえず、放たれた言葉に目を見開いた。
ここ最近Aとあまりコミュニケーションをとってなく検討もつかなくて。なぜ？どうして？何があった？
縋るように石川の手を握る震える指先をただ見つめた。
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アキ(プロフ) - jp0b1qさん» コメント有難うございます！だらだら長くて、楽しんで頂けているのかな？と不安になりながらも続けていたので、そう言って頂いて本当に嬉しく、力になります！読むの疲れてしまうと思いますが、ぜひ最新話までよろしくお願いします！ (2017年6月25日 0時) (
レス) id: 5a1b3de531 (このIDを非表示/違反報告)
jp0b1q(プロフ) - はじめまして！キラキラ楽しませていただいております！姫ちゃんの決断に涙が(´;ω;｀)これだけの長編、大変だと思いますが、ぜひ、もっと続けていただきたいです！ (2017年6月23日 10時) (レス) id: 8ef0863dfa (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - みずきさん» 続き更新しましたっ！切ない展開になってしまいました(´；ω；`) まだまだ、2人を追いかけます！ (2016年10月19日 21時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - AZUSAさん» コメントありがとうございます！二人には恋愛と同じくらい大事なものがある！二人の物語はまだ続きます！ (2016年10月19日 20時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - さりーさん» コメントありがとうございます！！続き更新しましたのでぜひぜひ！また感想あればお願いします！ (2016年10月19日 20時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキ | 作成日時：2016年8月7日 20時
