scene106 危険信号�� ページ22
「ちょっといいかしら、Aちゃん」
開脚のストレッチをしていると、ミサキが仁王立ちで腕を組んで怖い顔で私の事を見ている。
「な、なに？私、何か悪いことしましたか…？」
ミサキの迫力に負けて、思わず敬語で返す。
「昨日ちゃんと、柳田くんと話したんでしょうね？」
「えっと、したと言えばしたけど…」
「けど？」
「具体的にはちゃんとしてないってゆーか…」
「だよね。だって柳田くんの様子が昨日と何も変わってないし、あの子もキラキラオーラすっごい出てるし」
今日も同じ体育館で練習中の、男子バレー部の方を見ればニコニコと楽しそうに○ちゃんと話しているマサの姿。私にはあんな顔するかな、なんて考える。
その様子をぼおっと見つめていると、目の前にミサキのテーピングが巻かれた手がヒラヒラとした。
「ちょっと、なんて顔してんの」
「あ、いや…」
「ってゆーかさ、あの子に私達付き合ってますって言えばいいと思うんだけど」
「そう、だよね…でも私から言うのもなんかさぁ。マサが言ってくれるかなって」
「はぁ、もうあんた達見てると疲れるわ」
「すみません…」
ミサキも私の隣に座ると、「あっ」と言ってゴソゴソとポケットから何かを取り出した。
「はい、これAに」
「ん？」
「さっき外でもらったの。Aに渡してって。なんかちょっと”あれ”な感じの男の人だったよー…しかも塾生っぽくなかったんだよなぁ」
「うん、ありがと」
「ねぇ、中身見せてよ」
「え！？…いいけど」
「手紙だよね？その割にけっこう厚みあるよね…熱いメッセージかな」
トントンと床に当てて、封筒の中身を端に寄せると、反対の端を細く綺麗に破く。
その様子をミサキが隣から覗き込んでくる。
中身を滑らせて、手のひらに出すと、一枚の紙に包まれた数枚の写真。
「えっ…」
「うわ」
5枚ほどある写真は、おそらく先週末にやった試合の時に撮られたものだ。
試合前のストレッチしてるところとか、チームメイトと話しているところ、あとはコートの中に立っている時の物。
「何これ…」
「あ、なんか紙に書いてあるじゃん」
ミサキのが私の手から紙を取ると、読み上げ始めた。
「この前の試合も可愛かったです。次もまた見に行きます。うまく撮れた写真あげます、、、って何これ、ほんとに」
いつも元気で威勢のいいミサキでさえもなんだか少し怯んでるようで。
私は、危険を知らせるかのような心臓の音が身体中に響いているのをただただ感じていた。
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アキ(プロフ) - jp0b1qさん» コメント有難うございます！だらだら長くて、楽しんで頂けているのかな？と不安になりながらも続けていたので、そう言って頂いて本当に嬉しく、力になります！読むの疲れてしまうと思いますが、ぜひ最新話までよろしくお願いします！ (2017年6月25日 0時) (
レス) id: 5a1b3de531 (このIDを非表示/違反報告)
jp0b1q(プロフ) - はじめまして！キラキラ楽しませていただいております！姫ちゃんの決断に涙が(´;ω;｀)これだけの長編、大変だと思いますが、ぜひ、もっと続けていただきたいです！ (2017年6月23日 10時) (レス) id: 8ef0863dfa (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - みずきさん» 続き更新しましたっ！切ない展開になってしまいました(´；ω；`) まだまだ、2人を追いかけます！ (2016年10月19日 21時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - AZUSAさん» コメントありがとうございます！二人には恋愛と同じくらい大事なものがある！二人の物語はまだ続きます！ (2016年10月19日 20時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - さりーさん» コメントありがとうございます！！続き更新しましたのでぜひぜひ！また感想あればお願いします！ (2016年10月19日 20時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキ | 作成日時：2016年8月7日 20時
