scene88 はじめまして�� ページ2
「まさったら、なかなか勿体ぶって言わないから何かと思ったら、まさか彼女が姫ちゃんだなんて、お母さんビックリよ」
可愛い花柄のソーサーに、綺麗な琥珀色の紅茶が入っている。
お母さんは私のことを知ってくれていて、試合も毎回見ているとのことだった。私の事も愛称である“姫”と呼んでいくれて、少しだけホッとする。
「タカが姫ちゃんの事大好きだから、毎回試合は録画してるのよ、ね？」
「あっちょっと本人の目の前でやめろよ！…まぁ、まさより先に好きだったはずだよ」
思春期ではあるけど反抗期では無さそうなタカくんは、お母さんの話をバツが悪そうに聞いている。
「確かにそうね。まさは高3の時に、タカが録画した全日本の試合見てからだもんね？姫ちゃん好きなのは」
「は？」
「そうでしょ？それでその後、春高の取材で姫ちゃんに会えるって言って、タカにすごい自慢してたじゃない！」
「もう、わかった。やめてその話、終わり」
私の知らない過去の話に、マサが珍しく赤くなって焦った様子で。
一年前にマサに告白された時「初めて会った時から好きだった」って言われたことを、ふと思い出す。あの時のむず痒い感情も蘇って、結局私も恥ずかしくなる。
「試合中の姫ちゃんしか見たことないから、私服姿なんて初めて見たわ。可愛いねぇ、ね？タカ」
「……うん」
「そんなことないです。恥ずかしいです…。」
「そうだ、姫ちゃん夕飯食べて行って」
「え、いいんですか？」
「もちろん！姫ちゃんの分も作ってあるの。食べてくれないと余っちゃうから」
お母さんはニコニコの笑顔で私に言った。
マサの顔を伺うと、肩を少し竦めて笑っているから、私は、「はい」と返事をした。
ご飯をご馳走になって、他愛もない話をして、突然「遅いし泊まっていかないの？」なんて提案してくるお母さん。マサはそれを聞いてため息をひとつつく。
「何言ってんだよ、A困ってるだろ？」
「だって、もうお別れなんて寂しいじゃない」
「第一、俺の部屋に二人寝れるスペースなんてない」
「何言ってるの？マサと同じ部屋で寝てもらうわけないでしょ？大事な娘さんなのに、あ、まさかマサ手出してないでしょうね？」
「もう、うるさい、放っておいて」
「姫ちゃん、どうかな？」
「えっと、じゃあ、ご迷惑でなければ…」
ホクホクの笑顔のお母さんと、呆れたようなマサの笑顔。
間接照明が揺れる部屋で「マサの事よろしくね」と緩やかなお母さんの言葉を聞いて眠りについた。
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アキ(プロフ) - jp0b1qさん» コメント有難うございます！だらだら長くて、楽しんで頂けているのかな？と不安になりながらも続けていたので、そう言って頂いて本当に嬉しく、力になります！読むの疲れてしまうと思いますが、ぜひ最新話までよろしくお願いします！ (2017年6月25日 0時) (
レス) id: 5a1b3de531 (このIDを非表示/違反報告)
jp0b1q(プロフ) - はじめまして！キラキラ楽しませていただいております！姫ちゃんの決断に涙が(´;ω;｀)これだけの長編、大変だと思いますが、ぜひ、もっと続けていただきたいです！ (2017年6月23日 10時) (レス) id: 8ef0863dfa (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - みずきさん» 続き更新しましたっ！切ない展開になってしまいました(´；ω；`) まだまだ、2人を追いかけます！ (2016年10月19日 21時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - AZUSAさん» コメントありがとうございます！二人には恋愛と同じくらい大事なものがある！二人の物語はまだ続きます！ (2016年10月19日 20時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - さりーさん» コメントありがとうございます！！続き更新しましたのでぜひぜひ！また感想あればお願いします！ (2016年10月19日 20時) (レス) id: 0fb2687632 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキ | 作成日時：2016年8月7日 20時
