第 １３５ 球 ページ7
ボールが床に叩きつけられる音がした。
勿論、相手のコートに決まったのではなく、
俺の足元に転がっているのだ。
リエ「っし！」
高い視線が俺を見下ろして、得意げに笑う。
大人気なくも、そんな顔にイラッとして俺は睨み返した。
ブロックとはこんなにも高かっただろうか。
黒尾「リエーフ、いいぞ！Aは焦るな、ちゃんと助走距離確保して飛べ！」
次はこのブロックを欺けるだろうか。
ちゃんと落ち着いて冷静に飛べば、もっと高く飛べるだろうか。
『……っ、は______』
本当にそんなことが出来るのか？
突然不安に襲われた。
身体が動かなくなるほどの不安じゃない。
ただ心の奥隅にへばりついた、
例えるならカビのような不安感
その不安感は自信に侵食していくような感じがした。
烏野にいた時も俺は飛べていたか？
真っ向から勝負したことが1度でもあったか？
今まで隙をつくような戦法で戦っていただけじゃないのか。
高さが無くても、パワーが無くても
戦える技があったから今まで気づかなかっただけじゃないだろうか。
こんなこと考えるだけ、嫌な沼にハマるだけだ。
知っている。
俺は悩みすぎるんだ。悩んで、こじらせるんだ。
もう考えるのをやめよう。
切り替えようと、頭を振りながらコートを出る。
その時、今だ俺を見る猫の目に気がついた。
リエ「……なんだ、皆さん凄い凄いって言うから、どんな人かなって思ってたんですけど」
勝者が得意げに笑い、敗者に得意げに言う。
リエ「俺の方が出来ますね！」
純粋な笑顔に込められた、悪意の無い棘に思考が止まった。
.
.
「リエーフ煽んな！ほら次、準備しろ！」
俺は比較的、大人しいと言われるのだが
それは決して怒らないとかという訳ではなく
あんなことを言われれば勿論腹が立つ。
少し遅れて理解した。
俺は彼に、彼自身に勝てないと言われたのか、と
俺は彼より弱いと言われたのか、と。
ハッキリと言われると、案外ショックを受けるものだ。
確かに俺は強くない。
スピードもパワーもバネも無い。
けれど、ここ最近は本当に弱いと思える。
俺はこんなに弱かったか？
たかが、"音が出る" ようになったくらいなのに。
______たかが？いいや。
俺は "その" 戦い方以外、バレーのやり方を知らない
続く (更新停止中)
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ゆゆゆ - 及川との絡み好きすぎます！ (3月24日 23時) (
レス) @page7 id: 5b0dfcfc7e (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - うわーやばい最高すぎる。ハイキューにいたら音無くん推しになってるわこれ…続き楽しみにしてます🥹 (3月8日 16時) (レス) @page7 id: 0ce3ef1535 (このIDを非表示/違反報告)
歌恋 - すごく面白いです！！続き全裸待機してます！！！ (1月7日 1時) (レス) @page7 id: 48a7de9cc2 (このIDを非表示/違反報告)
赤憑(プロフ) - 続きいつまでも待っています、見ててとても感情を揺さぶられる作品で音無くんの今後がとても気になります！ (11月27日 13時) (レス) @page7 id: 805737b448 (このIDを非表示/違反報告)
荊棘(プロフ) - とても面白かったです。また更新して欲しいです<(_ _)> (8月24日 20時) (レス) @page7 id: 27c91382d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやさち
| 作成日時：2017年10月8日 9時
