第 130 球 ページ2
みんなのために、と正当化し
その結果自身が傷つくことは恐れ
何も言わず去ろうとする。
そんな弱い自分から逃げ出すように、俺は走った。
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田中「でも俺たちは_______!!」
西谷「!!あ!A!!!」
部室から校門までの途中にずっと待っていたあいつらがいた。
大地さんたちと何かを話していたようだが
俺に気づくと「まて」と叫びながら俺の方へ走ってくる。
俺はそれを無視して駆け抜ける
けれど、
あの2人の足には勝てなかった。
あっけなく鞄を掴まれて、俺の体はその場で停止する。
西谷「逃がすか!」
『っ、離せよ…!』
田中「だったらちゃんと説明しろ!」
説明とは何だ。
どうせもう聞いているんだろう?大地さんの口から。
それを俺がもう一度繰り返すことになんの意味がある
『っ、何も言う事はないっての…!』
西谷「じゃあ何で逃げるんだよ!!」
『それはお前らが…!』
仕方ないことなんだ。
自分が弱くなっていくのを感じていた。
現実から逃げたくないから前を見た。
知られたくないから黙ってた。
全部、全部、皆のためと思っていたのは俺だけで
______隠してたのは、アンタの方でしょう
本当は自分が可愛かった。
俺の心はずっと弱いままだった
傷つきたくなかった
仕方ないというばかりで受け入れられていなかった
『お前らがこっちに来るから…!』
彼らには、
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田中「っ俺たちが聞きたいのはそんな言い訳じゃねぇ!」
西谷「お前の口から言えってことだ!!!!」
俺の言い訳を、田中は、西谷は大声で遮った
いつもそうだった。
その叫び声は、
勇気のない俺の背中を押してくれる。
俺はいつも皮肉で、彼らのことを受け入れられなくても
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西谷「______何のための "声" だ!!」
.
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彼らは、俺よりも俺を受け入れてくれているから。
西谷の叫び声でバレー部が続々と集まる。
ああ、くそ、せっかく黙って行こうとしてるのに。
どうして彼らは
こんなにも仲間思いのなのだろう
「黙って行くな!!」と
彼らの目もまた、俺に叫んでくれているようで
『………っ…』
酷く、苦しかった
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ゆゆゆ - 及川との絡み好きすぎます! (3月24日 23時) (レス) @page7 id: 5b0dfcfc7e (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - うわーやばい最高すぎる。ハイキューにいたら音無くん推しになってるわこれ…続き楽しみにしてます🥹 (3月8日 16時) (レス) @page7 id: 0ce3ef1535 (このIDを非表示/違反報告)
歌恋 - すごく面白いです!!続き全裸待機してます!!! (1月7日 1時) (レス) @page7 id: 48a7de9cc2 (このIDを非表示/違反報告)
赤憑(プロフ) - 続きいつまでも待っています、見ててとても感情を揺さぶられる作品で音無くんの今後がとても気になります! (11月27日 13時) (レス) @page7 id: 805737b448 (このIDを非表示/違反報告)
荊棘(プロフ) - とても面白かったです。また更新して欲しいです<(_ _)> (8月24日 20時) (レス) @page7 id: 27c91382d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやさち | 作成日時:2017年10月8日 9時