【ハイキュー!!】烏、鳴き方がわからない【男主】

第 １７ 球 ページ20

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西谷side








謝らないと。









何回そう思っただろう




その度に

何度チャンスを逃しただろう









いくらでも機会は会ったハズだ









同じクラスで

席も近いってのに





「ごめん」の一言が言えない









何を躊躇してるんだ









もう六時間目も終わる


もうすぐ鐘がなる









早く

早く

早く


早く言え









今言わないと、次も絶対言えるハズがねぇ









.

.







__キーンコーンカーンコーン_____









.

.








待ち望まない鐘がなる








早く、

早く、


気ばかりが焦る









『………………、……』

((ガタッ___









早く、






.

.







西谷「………っ……！！…」








心では叫んで居るのに


現実では







声は出ていない









西谷「……………っ、くそっ…！…」









そうか、

やっと言葉の重さってやつが分かった。









あいつは、いつもこうなんだ。









声なんて

いつも普通に出しているもんだった








特別、何を感じるわけでもない








俺にとって

皆にとって


これからも、当たり前のことだろう









でも、Aはどうだろう








その当たり前が無いAは



今まで

どうだったんだろう。









.

.









"声の出ねぇ奴は黙ってろ!"









少なくとも

あの言葉だけは言ってはいけなかったんだ。









.

.







西谷「………くっそが…！」









馬鹿か、俺は。








いいや、

馬鹿だよな、俺は。









だったら馬鹿は馬鹿なりに考えんなよ









もう

悪いのは分かってんのなら









「ごめん」でも

「悪かった」でも謝るしかねぇだろ








.

.

.







やっと、どうすればいいか分かった






.

.







でも "遅過ぎた"






.

.








田中「…え？」








龍、何て顔してんだよ









澤村「し、清水、もう一回言ってくれ」








大地さんも、









清水「……………」








皆も。






.

.









清水「…Aから、休部届を渡された」








.

.





西谷「……っ、………！！」






でもきっと、

俺が一番酷い顔をしているんだろう

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