第五話 青葉城西と桜。 ページ29
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翌日。放課後。
澤村「んで、練習試合のポジションだけど」
「これで行こうと思う」
と澤村先輩はホワイトボードを見せる。
WS田中 MB日向 WS澤村
S菅原
MB山口
WS木下 S影山 MB月島 WS縁下
MB成田
「え？ああ」
澤村「影山と日向はセットで使いたいし、月島はうちでは数少ない長身選手だ」
「青城相手にどれくらい戦えるか見たい」
月島「はーい」
田中「ていうか、でかさが重要なポジションに日向っすか？」
日向「は？ミドルブロッカーってノッポ野郎、月島と同じポジション？」
ノッポ野郎・・・笑
影山「いいか、日向」
「最強のお前は最強の囮だ」
日向「おおおお・・・」
「最強のおと・・・り」
「なんかパッとしねえ」
『クイックでガンガン点を稼いで敵のブロックの注意を日向に向けさせる』
『そうすれば他のスパイカーが活きていくのよ』
影山「月島みたいなでかいやつが何人もお前の動きにアホみたいに引っかかったら」
「気持ちいいだろ」
日向「うおお！いい！それいい！」
山口「おい！アホってツッキーのことじゃないだろうな」
月島「黙れ山口」
山口「ごめんツッキー」
影山「逆に、お前が機能しなきゃ他の攻撃も総崩れになると思え」
日向「ぐっ！」
澤村「ちょっと、あんまプレッシャーかけんなよ」
日向「総崩れ総崩れ総崩れ総崩れ」
『あ〜あ云わんこっちゃない』
澤村「ほら見なさい！」
田中「でも肝心のブロックはどうすんだよ」
「いくら高く飛べても」
「もともとでかいやつと比べたらジャンプのてっぺんに到達するまでの時間がかかるだろ」
影山「はい、だから日向がブロックで重点を置くのは相手のスパイクを叩き落とすよりも」
「触る事」
『ワンタッチを狙うってこと？』
私の問いに影山が頷く。
影山「日向のバカみたいな反射速度を生かして」
「敵のスパイクにとにかく触って勢いを弱め確実に拾ってカウンターを仕掛ける」
田中「そんないきなりうまいこといくか？」
『恐らくいかないでしょう』
『ですよね、澤村先輩』
澤村「ああ」
田中「えっ」
澤村「少なくとも最初は」
「でもやってみれば何かしら分かることがあるよ」
「練習試合なんだしさ」
田中「おっす」
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作者名：名稀ーなきー | 作成日時：2024年2月15日 16時
